《ブラジル》16日から選挙運動が解禁=テレビやラジオは26日から=放送時間最長はルーラ

本日16日より、統一選のキャンペーンが解禁となる。10日後の26日からはテレビ、ラジオでの選挙放送もはじまるが、選挙高裁によると今回の選挙放送で最長の時間を持つのはルーラ元大統領(労働者党・PT)で、ボルソナロ大統領(自由党・PL)が続いている。15日付現地紙などが報じている。
選挙放送は8月26日~9月29日に、すべてのチャンネルで一斉に行われる。大統領候補と下議候補の放送は火曜、木曜、土曜。上議候補・知事候補・州議候補の放送は月曜、水曜、金曜。テレビなら13時と20時、ラジオなら7時と12時に25分ずつ放送される。これ以外にも30秒、60秒の候補者コマーシャルが1日に何度か放送される。
選挙放送の持ち時間は、大統領選の場合、各候補者の連立政党の下院議員数に比例して決められる。今年最長の時間を獲得したのはルーラ氏で、全体の約8分の1にあたる3分21秒。ルーラ氏はPTに加え、ブラジル社会党(PSB)、社会主義自由党(PSOL)、ブラジル共産党(PCDoB)、緑の党(PV)、レデ、連帯(SD)、アヴァンテ、社会秩序共和党(PROS)、アジールと連帯し、下議計141人を抱えてこの分数となった。1日に7〜8回の30秒CMも放送される。
ボルソナロ氏はPLのほか、進歩党(PP)と共和者(RP)の3党との連立で101人の下議を抱えて2分42秒となる。ルーラ氏と同氏の放送時間だけで6分あまりを占める。30秒CMが1日に6回流れる。
3番目に持ち時間が長いのはシモーネ・テベテ氏(民主運動・MDB)で、MDB、民主社会党(PSDB)、ポデモス、シダダニアの4党で88人の下議を獲得。持ち時間は2分13秒だ。
その次がソラヤ・スロニッケ氏(ウニオン)だ。ソラヤ氏はウニオンの単独候補だが、同党が下院でも最大勢力のひとつであるため、81人の下議を獲得。放送時間はテベテ氏とほぼ同じ2分12秒で、両者ともに1日に5〜6回の30秒CMが流される。
世論調査ではルーラ氏とボルソナロ氏に次ぐ3番手となっているシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)は、下議28人で持ち時間は50秒。30秒CMは、1日に1〜2回の放送となる。
その他の候補に関しては下議数が限られるため、10〜30秒程度とかなり限られた放送時間となる。また、ブラジル労働党(PTB)から出馬するロベルト・ジェフェルソン氏は、実刑を受け自宅軟禁中での出馬となるため、選挙高裁の判断が必要だ。フィッシャ・リンパ法に抵触するため、承認される見込みはほとんどない。
選挙放送の時間の長さは選挙戦を左右すると以前から言われているが、2018年は放送時間が10秒ほどしかなかったボルソナロ氏が大統領に選ばれた。今回は一騎打ちが予想されるルーラ氏とボルソナロ氏の時間が長いが、時間の長さに恵まれたテベテ氏、ソラヤ氏への影響も注目される。