《ブラジル》16日からガソリン値下げ=インフレ率7%以下の予想も
ペトロブラスが15日、16日からガソリンの製油所出口価格をリットルあたり3・71レアルから3・53レアルに4・85%引き下げると発表したと15日付現地サイトが報じた。
ガソリン価格が最後に調整されたのは7月29日で、今年に入ってからのガソリン価格はまだ、14・24%高となっている。
消費者価格はガソリンA73%とエタノール27%の商品でリットルあたり2・70レアルが2・57レアルとなる見込みだ。7月は商品流通サービス税(ICMS)の上限引き下げなどもあり、消費者価格が15・48%下がったが、12カ月間の累積では5・64%高だった。
今回の値下げは2度に及ぶディーゼル油の価格調整後に行われており、「参照価格の変化に従い、国際市場での価格とのバランスをとるためのもの。国際相場と為替レートの同時変動性を国内価格に転嫁する亊はしていない」との文書が出た。
燃料価格は昨年来のインフレ高進の主要原因とされ、再選を目指すボルソナロ大統領がペトロブラスの総裁や経営審議会の委員を入れ替える、ICMSの課税率に上限を設けるといった方策で、価格低下を試みている。
15日発表の経済動向調査「フォーカス」での今年の広範囲消費者物価指数(IPCA)は7・11%が7・02%に引き下げられ、来年は5・36%から5・38%に引き上げられていた。
他方、ジェツリオ・ヴァルガス財団(FGV)は15日午後、ガソリン代値下げで今年のIPCAが7%を割る可能性がより高まったと語った。
予想通りなら2020年の4・52%以来の低率となる。同財団は8月のIPCAも、0・20%のデフレとの予想を0・30%のデフレ予想に切り替えた。