《ブラジル》Camexがメルコスルの関税問題承認=エアバッグなどの減税も決定
経済省の貿易協議所(Camex)経営執行委員会が17日、南米南部共同市場(Mercosul)の対外共通関税率(TEC)を10%引き下げる事をブラジル法規に組み込むのを正式に承認したと同日付現地サイトが報じた。
TECの引き下げは2021年11月から発効となっていた。だが今回の承認によって、ブラジルでもこの合意に従うことが正式に決まった。ブラジルでの正式発効は9月1日からとなる。
ただし、ブラジルは5月にロシアによるウクライナ侵攻による影響緩和のために、すでに輸入関税を10%引き下げる措置を採っていたため、実際的な影響は起きない。
メルコスルでのTEC10%引き下げはブラジルとアルゼンチンだけの合意で始まった。だが7月に開かれたメルコスルの会合で、域内全ての合意となっていた。今回の課税率引き下げは、メルコスル創立以来初の大幅な引き下げで、他の加盟国を得る事や他の経済域との競争力を高める事などが期待されている。
なお、Camexは同日、バイク用のエアバッグやホエイプロテイン(牛乳由来のタンパク質)、栄養補助食品などの7品目の輸入関税を引き下げる事も決めた。こちらも9月1日発効で、11・2~35%だった関税が0~4%に引き下げられる。
他方、コロンビアとタイ原産のクエン酸とクエン酸塩、フランス原産のエチレングリコールモノブチエーテルへのアンチダンピング関税適用も決めた。
中国とインドからの織り目加工された合成ポリエステルフィラメントへのアンチダンピング関税適用はいったん決まった後、1年間の即時停止となった。停止期間は1回の延長が認められている。
なお、5月23日に決まった輸入関税の10%引き下げは、輸入品の大半となる6195品目に2023年末まで適用されており、21年11月に導入された関税引き上げ品目に加えられた。21年11月と今年5月の輸入関税の減免税はインフレ抑制対策の一環として導入されたものだ。