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《ブラジル》選挙高裁「軍の並行集計」を否定=軍側の一方的勘違いか?=長官が怒り、会合を中止

2022年9月14日

選挙の集計機(Antonio Augusto/TSE)
選挙の集計機(Antonio Augusto/TSE)

 【既報関連】「10月の選挙では軍が通常の集計とは別に並行集計を行う」と11日に報じられたが、12日に選挙高裁が否定し、軍との間に緊迫した空気が流れている。12、13日付現地紙、サイトが報じている。
 「軍による並行集計」は11日付フォーリャ紙サイトなど、大手メディアが報じた。それによると、今年の選挙では、軍が無作為抽出した385の投票機の投票内容の報告書(BU)のQRコードの写真を撮影して軍のサイバー対策課に送り、選挙裁判所による集計と並行して集計を行い、投票内容の信憑性を確認するなどと報じられていた。
 この報道後、国民からは、「民主政治が復帰して30年以上も経つのに軍が選挙を管理するのか」「軍に党派性は本当にないのか」と、難色や不安を示す声があがっていた。
 だが選挙高裁は12日に声明を出し、「軍が並行集計に使うというBUは選挙裁判所の公式サイトに掲載され、全ての人がアクセスできることは何カ月も前に発表済み」で、4万台以上ある電子投票機の内、385台だけの集計では並行集計とは言えないと明言。
 軍が同時集計を行うことで合意したとの報道に関しても、「今年の選挙の集計方法は6月に発表されており、変更は加えられていない」「軍との間での新たな合意などは存在しない」「あくまでも選挙法が定める基準に則る」とし、正式に同時集計を否定した。
 「軍が集計」との報道で指摘されたQRコードは各報告書に印刷されており、公式サイトに掲載することは年のはじめに発表されているし、2020年の選挙で数十のBUを独自集計した非政府団体があったが、その時も開票結果の信憑性が確認されただけだったという。
 選挙高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス長官はこの声明を出した後、13日に予定されていた軍代表のパウロ・セルジオ・ノゲイラ国防相との会合をキャンセルした。
 伯字紙が「軍が並行集計を行う」と報じたのは、8月31日に選挙高裁と軍が行った会議の結果を基にしたものだった。軍側はこの会議後に軍の提案した方法が認められたとして、「選挙の透明性が95%まで上がる」などと語っていた。
 だが、その会議の席では、連邦大学などが行った、最後に購入した電子投票機のBUなどを解析した信頼性テストで欠陥が認められなかったことを軍側も確認済みだった。
 軍による提案が認められていたのは、指紋を使った投票機のテストで、その件は13日の会合で話される予定だったが、キャンセルされてしまい、日程が決まっていないため、こちらに関しても先が見えなくなっている。
 13日付グローボ紙などによると、「軍による同時集計」の報道が流れたことにモラエス長官は驚き、強い不快感を示していたという。13日の会合がキャンセルされたのもそのためだ。同長官と軍の関係は良好と伝えられていたが、今回の報道で関係悪化の可能性が生じている。


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