site.title

《ブラジル》経済省がインフレ率見直す=来年の最賃は1292レへ

2022年9月16日

 経済省経済政策局が15日、全国消費者物価指数(INPC)の見直しを行った結果、今年のINPCの予想値は6・54%となったと発表したと同日付現地サイトが報じた。
 INPCは連邦政府が次年度の最低賃金を決めるための指標で、先週の発表では7・41%だったが、今回は6・54%に引き下げられた。この予想通りだと、連邦政府が8月末に提出した来年度の予算案に盛り込んだ最低賃金(以下、最賃)の額も引き下げられる事になる。
 ボルソナロ政権は次年度の最賃額をINPCのみで調整する事を決めており、7・41%だったINPCの見通しが6・54%になった事で、最賃額も1302レアルから1291・26レアルに引き下げられる見込みだ。センターボは通常切り上げられるため、慣例通りなら1292レアルになる。
 ただし、もう一つの公式インフレ指数である広範囲消費者物価指数(IPCA)は7、8月と2カ月連続でデフレを記録しており、燃料代の値下げなどが続けば、IPCAやINPCがさらに低下する可能性は否めない。言い換えれば、15日に発表されたINPCはあくまでも見込みであり、最終的なインフレ率と最賃額は年末に確定する事になる。
 労組間社会経済調査・統計所(Dieese)によると、最賃額の変動は5670万人の国民の収入に直接的に影響を与える。この内の2420万人は国立社会保障院(INSS)を通して老齢年金や遺族年金などを受け取っている人達だ。
 連邦政府の社会保障制度としての生活扶助のアウシリオ・ブラジルなどの受給資格も最賃が基準となっているから、最賃額の変動は社会政策にも影響する。
 ブラジルの最賃が最低限の生活を保障するには不十分である事は以前から指摘されている上に、INPCのみの調整となった事に不満を覚える国民もおり、最賃額の調整方法の見直しを公約に掲げる大統領候補も出ている。


《ブラジル》宝くじ約13億円当選者を誘拐殺害=引き出しに失敗した挙句前の記事 《ブラジル》宝くじ約13億円当選者を誘拐殺害=引き出しに失敗した挙句《ブラジル》陸軍がCAC銃承認を一部差止め=ファキン判事の司法判断受け次の記事《ブラジル》陸軍がCAC銃承認を一部差止め=ファキン判事の司法判断受け
Loading...