《ブラジル》検察がジウマ政権の粉飾会計捜査打ち切る=大統領罷免の理由とされるも
連邦検察庁は21日、ジウマ政権下での粉飾会計(ペダラーダ・フィスカル)の捜査を打ち切ることを発表した。ジウマ氏は2016年にこの件がもとで大統領を罷免されていた。21、22日付現地紙、サイトが報じている。
ジウマ政権での粉飾会計は債務補填のために連邦政府が公銀から借り入れた金額が多かったことで財政責任法に問われたことが発端で、一度有罪となった後も、「歴代の大統領がやってきていたことなのになぜ」と方針を改めなかったために再犯に問われ、罷免審議にかけられた。同氏は罷免に際しても無実だと主張していた。
ジウマ氏は2016年8月31日の上院での投票で正式に罷免となったが、それから6年後、検察庁はジウマ氏と当時の財相だったギド・マンテガ氏、財務局長だったアルノ・アルグスチン氏への捜査を打ち切った。
ジウマ氏の罷免に関してはその後、「財界とマスコミによるクーデターで、ジウマ氏に犯罪性がなかったことから結果的に粉飾会計が選ばれた」とする説が強くなっている。
一方、ジウマ氏罷免の請願書を作成した弁護士チームの一人だったミゲル・レアレ・ジュニオル氏が21日、大統領選の一次投票でジウマ氏の政治的親であるルーラ氏に票を投じると宣言した。同弁護士は「ブラジルを取り戻すために必要だ」と主張。ボルソナロ大統領に関しては、パンデミック対策の甘さや先住民差別に関して厳しく批判している。