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《ブラジル》農薬輸入量が95%増加=肥料の購買力は19%向上

2022年9月24日

肥料を入れて土地を整える農家(8日付オ・ヴァロール紙電子版の記事の一部)
肥料を入れて土地を整える農家(8日付オ・ヴァロール紙電子版の記事の一部)

 米国に本社を持ち、ブラジルでも10数州で事業を展開している肥料大手のモザイク肥料(以下、モザイク)が21日、パラナ州パラナグア港での1~8月の農薬の輸入量は16万6千トンで、昨年同期の95%増となったと発表したと同日付伯字サイトが報じた。モザイク・ブラジルは肥料の製造・販売の他、パラナグア港を通じた輸入・輸送業務も行っている。
 今年の農業界は、2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻による世界的な肥料不足に直面している。だが、モザイクが管理するパラナグア港の肥料・農薬ターミナルでは輸入量が増加。同社は「外国貿易や政府の利益及び輸入業者の戦略における課題解決への取り組み」が輸入量増加に貢献したと述べ、害虫や昆虫の繁殖を助長する少雨・干ばつも輸入を押し上げたとする声明を出した。
 この声明やパラナグア港での取扱量を見る限り、ブラジルでの肥料や農薬の供給はウクライナ危機直後に急速に広がった肥料不足への懸念ほどの甚大な影響を受けずに済んでいるようだ。
 また、モザイクは9日にも、農家の肥料購買力を示す指数が8月は1・50となり、7月の1・85よりも19%小さくなったと発表している。同社によると、この指数は小さいほど、農家の購買力が高まるのだという。換言すれば、8月の農家の肥料購買力は7月よりも19%向上した事になる。
 同社によると、農家の購買力向上は、肥料の価格が下がった事と国際的なコモディティ価格の上昇によって農産物価格も上昇し、農家の懐を潤した事を反映したものだという。
 モザイクによると、リン酸とカリウムを使用した肥料は需給バランが取れず、8月に価格が低下したが、窒素系の肥料は欧州での天然ガス供給不安のために上昇したという。
 8月のコモディティ価格は米国での収量減予想などで、7月よりも2%近く上昇した。大豆の場合は2・5%上昇している。
 同社では、8月の為替がドル安に振れた事も肥料の購買力向上に貢献したとしている。


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