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《ブラジル》パラナ州=保護地域の森林修復進む=水力発電所の環境許可で

2022年9月27日

パラナ州の水力発電所の一つ(Divulgação/Abrapch)
パラナ州の水力発電所の一つ(Divulgação/Abrapch)

 パラナ州立の環境監査機関、水と土地研究所(IAT)が、小規模の水力発電所(PCH)と水力発電所(CGH)の建設に伴い、2014~22年の間の永久保護地域(APP)の森林再生が3倍以上進んだと21日付オ・ヴァロール紙電子版などが報じた。
 IATはこの期間中に、発電能力30メガワット(MW)までの小規模の水力発電所の建設計画関連で89件の環境許可を出して来た。これらの発電所の出力は合計714・45MWで、それ以外にも暫定許可を出したものもある。
 環境許可を受けた発電所の建設で失われる森林は951ヘクタールだが、企業家は3119ヘクタールの森林を回復させる事を約束している。これは、APPと在来種の植栽が228%増加する事を意味する。
 IATのヴォルネイ・ビソグニン理事長によると、大西洋岸森林での生物群破壊は厳格に制限されており、社会的利益と公益宣言があるプロジェクトにしか環境許可は出さないという。
 貯水ダム建設で失われるAPPの面積は特別な方法で算出され、1対1の割合で森林を回復させる事が大西洋岸森林法で定められている。だが、パラナ州では多くの場合、それ以上の割合で回復させる約束を得る事ができているという。
 また、2010年まではAPPの回復などに関する法律が整備されておらず、パラナ州内でも水力発電所の建設に伴う環境許可は数えるほどしか出されていなかったが、法律が整った後も効果的な適用までは4年間かかった。今回発表された統計が2014~22年の8年間となっているのはそのためだ。
 森林で覆われた地域はスポンジのような機能を持ち、地下水を維持し、水位を上昇させるため、発電所を運営する企業にとっても、森林に覆われた土地を持つ事は非常に大きな意味を持つ。
 小規模の発電所を含む全国水力発電所協会(ABRAPCH)によると、パラナ州ではここ4年間でPCH建設のための環境許可数が37%増え、ゴイアス州と数を競い合ったという。2019~22年にIATが出した環境許可は127件、更新された許可も191件あった。これは33の水力発電所の建設に伴うもので、20億レアルの投資も呼び込む。2003~18年に同州で建設が認められた水力発電所は12カ所だった。
 ABRAPCHによると、検察が水力発電所を悪者のように扱う事もあり、建設許可が出るまでに10年もかかる例もある。だが、全国で稼働中の水力発電所は1150に増え、パラナ州だけで110のPCHとCGHが547・33MWの電力を提供しているという。
 ABRAPCHのアレッサンドラ・トレス会長は、PCH建設に伴う環境許可によってAPPと森林の回復がPCH建設で失う原生林の3倍以上になった事を例にあげ、PCHは30~100平米のAPPを増やせる唯一の方法だと説いている。全国の水力発電所の周辺(ダムは除く)面積の70%以上はAPPとなっている。
 同会長は、昨年の水危機は新たなPCHの必要性を明らかに示しており、水の供給と電力生産のためには新たな貯水ダムが必要だとも強調した。


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