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《ブラジル》コロナ禍で子供の入院数が高齢者超す=予防接種の進展遅れが原因=7日間の死者平均が初めて50人を切る中

2022年9月30日

予防接種を受ける子供(Revena Rosa/Agencia Brasil)
予防接種を受ける子供(Revena Rosa/Agencia Brasil)

 オズワルド・クルス財団(Fiocruz)子供の健康観察(Observa Infancia)が28日、8月14日~9月10日の新型コロナによる子供の入院者は高齢者のほぼ倍だったと発表したと同日付現地サイトが報じた。
 SVSと呼ばれる新型コロナの感染状況に関する保健省のデータを解析した結果、前記期間中に入院していた5歳未満児は678人で、60歳以上の387人を大幅に上回った事が判明したのだ。
 高齢者は重症化リスクが高く、従来は入院者の中で最も人数が多かった。今年上半期も60歳以上の入院者は9万人、5歳未満児は7800人だった。
 だが、8~9月はこの割合が逆転した。専門家は、高齢者~青少年は予防接種の進展で入院率や死亡率が低下したが、5歳未満児への予防接種は進んでおらず、入院率や死亡率の低下が緩やかである事が原因と見ている。
 7月以降の新型コロナによる入院者の5人に2人は5歳未満児で、死者の1日平均も、高齢者の325%減に対し、5歳未満児は250%減に過ぎない。
 国家衛生監督庁(Anvisa)は7月13日に3~5歳児へのコロナバック適用を認めたが、保健省がコロナバックの購入を制限していたため、ブタンタン研究所は承認後に有効成分を取り寄せて生産。生産後も保健省が購入したのは100万回分だけで、200万回分はサンパウロ州政府に寄付されるなど、接種進展への障害があった。
 このため、接種を始めたが中断とか、接種を始める事もできない自治体が多く、23日現在で初回接種を終えた3~4歳児は2・5%で、100万人にも満たない。寄付を受け、サンパウロ州は30日から3~4歳の健常児への接種を始める。
 16日には生後6カ月~4歳児へのファイザー製ワクチン適用も認められたが、6カ月~2歳児への接種計画は立てられていない。
 Fiocruz調査員のクリスチアノ・ボコリニ氏は、「5歳未満児への接種が1日延びる毎に死者が1人増えている」と嘆いた。
 なお、国内初のワクチン承認と1号接種から620日目、最初の感染者確認から946日目の28日の死者は68万5927人に増えたが、7日間平均は初めて50人を切り、46人となった。


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