《ブラジル》連邦議員選で2極化が加速=ボルソナロ派を先頭にPT派も増加

2日に行われた統一選の一次投票で上下両院の勢力図が変化する中、ボルソナロ派閥が拡大したと2、3日付現地紙、サイトが報じた。
統一選では強い二極化が起きた。大統領選や知事選ではルーラ元大統領の労働者党(PT)とボルソナロ大統領所属の自由党(PL)や、これら2党と連立を組んだ候補が当選や決選投票進出を決める例が多かった。
他方、連邦議員選は決選投票がなく、2日に勢力図が書き換えられた。上下両院で目立つのはPLやボルソナロ派の増加で、現政権の元閣僚やモウロン副大統領が当選した他、各州の得票率上位者も大統領派が多かった。
上議当選の元閣僚はマルコス・ポンテス元科学技術相(サンパウロ州)、テレーザ・クリスチーナ元農相(マット・グロッソ・ド・スル州)、ダマレス・アルヴェス元人権相(連邦直轄区)、ロジェリオ・マリーニョ元地域開発相(リオ・グランデ・ド・ノルテ州)とモウロン副大統領(リオ・グランデ・ド・スル州)。
下議当選はエドゥアルド・パズエロ元保健相(リオ州)とリカルド・サレス元環境相(サンパウロ州)だ。
他方、元ラヴァ・ジャット担当判事で大統領と袂を分かったセルジオ・モロ元法相は上議、ラヴァ・ジャット元担当検事のダルタン・ダラグノル氏は下議(共にパラナ州)に当選した。
また、PLは上院で8議席増の14議席となり、民主社会党(PSD)の12議席や民主運動(MDB)とウニオン・ブラジルの10議席、PTの9議席を超え、第一政党となる。上院は今回、3分の1が入れ替わる。
PLは下院でも22議席増の98議席となり、第一政党の座を維持。3日の時点でもアマゾナス州の票の一部の開票が残っているため、99に変わり得る。

PL以外で議席が増えるのはPT(56が68)とウニオン(51が59)、MDB(37が42)他4党で、他の14党は議席を失う。特に進歩党(PP)と民主社会党(PSDB)は各10議席減となる。レデは2議席で変動なしだ。
この事は、来年からの連邦議会は民政復帰以降、最も右寄りの状態となる事と、大統領が誰であれ、憲法補足法案(PEC)のように3分の2以上の賛成が必要な法案の審議にはセントロンなど中道派の取り込みが必要な事を示す。
来年以降、政局運営上での両院議長の役割はこれまで以上に重要になりそうだ。