《ブラジル》会計検査院が投票内容を監査=開票結果との矛盾はなし=電子投票の信憑性再確認

連邦会計検査院(TCU)が5日、2日の統一選一次投票の内容を監査した結果、電子投票機560台の報告書と開票結果との間の矛盾は皆無だったと発表したと同日付現地サイトが報じた。
ブルーノ・ダンタス院長代行によると、2~3日に電子投票機560台分の投票内容の報告書(BU)を解析し、上議選と知事選、大統領選に関する開票結果と照合した結果、いずれの場合も矛盾はなく、選挙制度の透明性と電子投票の信憑性が確認されたという。
BUは投票所を閉めた時点で電子投票機毎に印刷され、各投票所にはそのコピーが掲示される。BUの内容はそれと同時に選挙高裁のコンピューターに送られ、自動的に集計されるため、人の手は一切加わらない。BUのデジタル版は投票が締め切られた時点で選挙裁判所専用のインターネットのネットワークを介して選挙高裁と選挙地域裁(TRE)にも転送されており、選挙高裁のサイトでも内容が確認できる。
TCUは当初、電子投票機540台のデータを解析する予定だったが、3日までに560台分のBUが解析できたという。
電子投票機を使う選挙システムの透明性や信憑性は選挙高裁や最高裁の判事、連邦検察庁長官、連邦議会議長らが繰り返し擁護して来たが、ボルソナロ大統領やその支持者らは選挙制度や透明性に疑問を呈し、投票結果の印刷付投票機の必要などを主張し続けた。
また、一次投票前には電子投票機には既にルーラ氏への票が入っているというフェイクニュース(虚報)も流れたが、選挙高裁は投票日直前に投票機の中は空である事を国際監視団などの前で証明して虚報を否定。TCUによるBUの解析結果も選挙制度の透明性や信憑性を証明した。
TCUは選挙制度の透明性と信憑性を証明するため、郵送されてくるはずの投票機4161台分の印刷されたBUの解析を継続する事になっている。
電子投票機の信憑性は過去の選挙でも繰り返し証明されており、新しい投票機も本番前に三つの大学が検査して、問題がない事を確認していた。選挙高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス長官は6日、一次投票までに行われた調査でも問題はなかったと強調した。