イピランガ博物館入場料=無料期間を12月まで延長

改修工事のため、9年間にわたって閉鎖されていたサンパウロ市南部のイピランガ博物館は独立200周年に合わせて営業を再開した。独立200周年記念として行っていた入場料無料期間を12月6日まで1カ月間延長したと27日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
改修・改装後の博物館は展示スペースも拡大され、3~5年の長期の展示が11種、短期の展示が1種の計12種が同時開催されている。
長期の展示は、社会を理解する事と博物館を理解する事の二つのテーマを軸として行われている。また、「独立の記憶」と題する短期展示は11月からの4カ月間開催される。
再開後の博物館の所蔵物は3100点を超えており、その他のコレクションも562点以上ある。また、複製やファクシミリも76点展示されている。展示物の大半は19~20世紀のものだが、一部には植民地時代のものも含まれている。
社会を理解するための展示には、仕事にまつわるものと家庭内の空間を示すものが含まれている。このテーマの展示は、ブラジルの歴史、想像される過去、領土争い、仕事の世界、家々と日用品、上空から見た街となっている。

博物館を理解するためのコーナーでは博物館建設の歴史や学術的なサイクルなどが扱われる事になっている。具体的には、博物館を理解する、画像とオブジェクトの収集、通貨とメダルのカタログ、玩具の保存、食器とコミュニケーションの各展示が行われている。
同博物館では改修工事と共に所蔵品の修復作業も行われた。一例は、ペドロ・アメリコ氏の「独立か、死か(イピランガの雄叫び)」の絵で、博物館内の貴賓室に展示されている。また、サントス・ドゥモン関連の品も増え、街の模型も修復されている。
営業再開後の博物館は、運営管理のために使っていた部屋も展示スペースに変更したりした事で、展示用の部屋が12から49に増えている。
また、エレベーターやスロープなどを取り入れた事で、アクセス環境が向上。様々な障害を持つ人にも楽しんでもらえるよう、触感スクリーンや金属製の複製物、3次元のジオラマ、点字ノート、足でザラつきを感じられる床などの工夫も凝らされている。