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選挙高裁の規定無視相次ぐ=投票前夜に下議が銃携行=連邦道路警察検問実施で苦情噴出

2022年11月1日

銃を構えて男性を追いかけるザンベリ下議(10月29日付UOL1サイトの記事の一部)
銃を構えて男性を追いかけるザンベリ下議(10月29日付UOL1サイトの記事の一部)

 【既報関連】10月30日の統一選決選投票後、アレッシャンドレ・デ・モラエス選挙高裁長官が大統領選はルーラ氏が制した事などを発表したが、この際、「空想的な作り話や電子投票機に対する犯罪的な虚報は止めるよう」求めたと同日付現地サイトが報じた。
 今年の統一選は極度に二極化し、政治暴力や選挙ハラスメントが頻発。ボルソナロ氏が電子投票機の安全性などに疑問を呈し、軍による並行監査を求めた事もあり、結果を受け入れられない人が選挙結果に疑問を呈す事や暴力行為などを起こす事が懸念されていた。
 モラエス長官はそのような状況を加味し、「1億5600万人の有権者中1億2400万人が投票した結果が3時間40分で判明する国は唯一」との表現で電子投票機の安全性や迅速性を賞賛した。
 だが、極端な二極化で生じる政治暴力回避のために定めた、選挙前日から投票翌日までは勤務中の治安関係者以外の銃携行禁止の無視や、大統領再選なら投票者に振る舞うと約束された大量のビール押収なども続いた。
 銃携行禁止違反の一例は、ボルソナロ派で再選も遂げたカルラ・ザンベリ下議が10月29日午後、サンパウロ市ジャルジン地区で黒人男性と口論後、友人の非番軍警と共に追いかけていた際、携行していた銃を抜き、銃を構えたまま男性を追いかけたというものだ。同件では、友人の非番軍警が発砲した上、男性に暴行を加えようとした事で逮捕後に釈放された。男性は同下議と軍警による人種差別と暴行、銃の不法携行で被害届を出している。
 今回選挙では有権者の投票権行使を保証するため、400市弱で公共交通機関が無料化されたが、ミナス州ベロ・オリゾンテの地下鉄が午前中、課金した他、北東部中心に連邦道路警察が選挙高裁の指示に反する検問を行い、苦情が噴出。17時までに検問を受けたバスは619台で、一次投票での297台の倍以上となった。連邦道路警察司令官らがボルソナロ氏への投票を呼びかけていた事もあり、ルーラ陣営が投票妨害と訴えたが、モラエス長官は関係者からの事情聴取後、投票への影響は小さいと見て投票時間延長を拒否した。だが、検問の正当性などについては個別に調査する意向だ。


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