連邦検察庁=反民主主義的行為を捜査=国道封鎖や軍施設前のデモ=リオ州や連邦直轄区などで

【既報関連】10月30日の統一選決選投票直後に始まった反民主主義的行為に関し、連邦検察庁も捜査を始めたと5~7日付現地紙、サイトが報じた。
10月30日の決選投票では1・8%ポイントという僅差でルーラ氏が当選したが、それを不服とするボルソナロ派トラック運転手は同日夜から国道などの幹線道封鎖を開始。道路封鎖は全国に広がり、全面・部分封鎖は約1千カ所に及んだ。
幹線道封鎖はアレッシャンドレ・デ・モラエス最高裁判事や知事達が出した連邦道路警察(PRF)や軍警による解除命令後に解除され始めたが、ボルソナロ派の運転手達は7日にもゼネストをと呼びかけた。ただ、ボルソナロ派の運転手ストはトラック運転手の組合の同意を得られず、7日のゼネストは不発に終わり、パラー州で1カ所封鎖が残った以外、混乱はなかった。
ボルソナロ派の反民主主義的行為はトラック運転手のストだけにとどまらず、2日と7日には軍関連施設などの前でのデモも発生。軍関連施設前でのデモは2日が中心で、7日はリオ市や聖市などに限定されたようだ。
ボルソナロ派のSNSで「米国と同じミスを犯すな」「最高裁などに侵入すれば軍の支援は望めない」といった投稿があった事もあり、7日は軍介入を求める横断幕が「市民の抵抗」を訴えるものに代わり、施設侵入もなかったが、参加者は選挙結果は受け入れられないと語っている。
反民主主義的行為に対する検察庁の捜査はリオ州や連邦直轄区などで行われ、法治国家や民主主義的団体、社会秩序に対する攻撃や種々の権利を侵害する行為の首謀者や支援企業などの解明を進めている。サンパウロ州の検察官は8日、ストの背後に大規模な犯罪組織があるとの見解も表明した。
モラエス判事は4日、幹線道封鎖の首謀者や罰金、逮捕の適用状況などの報告提出をPRFに命じた。PRFは8日、同日は2州6カ所で全面・部分封鎖が残っているが、1077カ所のストは解除。違反通告は7325件で1860万レアルの罰金を適用、65人を逮捕と報告した。
ボルソナロ派からの暴力被害は連警や各地市警にも出ており、軍関連施設前でのデモに反対して攻撃された学生達のバスを市警備隊が警備する必要が生じた市なども出ている。