貯蓄預金の出超傾向続く=10月は110億レアル

中央銀行が7日、貯蓄預金(ポウパンサ)は10月も出超で、その額は同月としては過去最高の110億レアルだったと発表したと7、8日付現地紙、サイトが報じた。
10月の貯蓄預金は預け入れ3020億レアル、引き出し3130億レアルで、差し引き110億レアルの出超だった。この額は、10月としては、1995年のポウパンサ開設以来の最高値だ。
今年に入ってからの貯蓄預金は、5月以外全て出超で、1~10月の累積では1021億レアルの出超となった。この額も、570億レアルの出超だった2015年1~10月の記録を大幅に上回っている。
今年の出超傾向の最大要因は、一時的に2桁を超えていた高インフレとされている。インフレは、燃料などに対する商品流通サービス税(ICMS)の課税率引き下げが起きた7月以降、減速し始めたが、9月現在の12カ月間累積の広範囲消費者物価指数(IPCA)は7・17%で、公式目標上限の5%を大きく上回っている。
もう一つの要因は2016年12月以降で最大の年13・75%という高率となった経済基本金利(Selic)だ。貯蓄預金の利率は6・17%+TR(参考金利)で、より利率の高いアプリケーションに乗り換える人も出ている。
また、高インフレで購買力が低下し、負債を抱える家庭が増えている事も出超を招いている要因の一つだ。負債のある家庭は79%を超え、債務不履行家庭も30%超という状況下、債務不履行となるのを避けるために預金を崩す人や融資を受ける人が増えている。