連載小説=自分史「たんぽぽ」=黒木 慧=第79話
その頃、弟巳知治は友人の山田君兄弟と三人で、今まで経験を積んで来た工場の基礎設計の会社を立ち上げた。多分、一九八六年だったと思う。会社名はKTYで、Kは黒木、Tはトーマス、Yは山田で社長は黒木巳知治である。
不景気なブラジルでは中々仕事をとるのが大変であるが、今まで働いて来た大きな設計会社から、小さい仕事を分けてもらったり、大きな施工会社は直接取り合ってくれないので、下請けで我慢しながらのスタートであった。それでも何とか赤字を出さずに少しづつ軌道にのって来た。社員も二〇人から五〇人と増えていった。その頃、私の知人で開発青年隊出身の高橋よしあきと言う男が、近くの...
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