〝教育界のノーベル賞〟受賞=廃材ロボット教育で国際評価
サンパウロ市の公立校で始まった一つの教育実践が、国際的な注目を集めている。ブラジル人教師のデボラ・ガロファロ氏が2日、英バーキー財団から「グローバル・ティーチャー・インフルエンサー賞」を授与された。同財団は「教育界のノーベル賞」とも称される「グローバル・ティーチャー賞(GTP)」を創設したことで知られ、今年新たに、デジタル発信を通じて学びの裾野を広げた教育者を顕彰する部門を設けた。ガロファロ氏はその初代受賞者となった。地域の廃材問題に着想を得たロボット工学教育の取り組みは、教室の枠を超え、教育の可能性を問い直している。
4日付G1など(1)(2)(3)によると、新設された同賞は、ソーシャルメディアを活用して学習機会の拡大に寄与し、教育内容を学校外へと広げる活動を行った教育者を対象としている。授賞式はアラブ首長国連邦ドバイの高級複合施設「アトランティス・ザ・パーム」で開かれ、世界各国の教育関係者や行政担当者、教育機関の代表らが出席した。表彰は財団理事のジェイ・バーキー氏から行われ、同財団は声明で、ガロファロ氏について「廃棄物を教育的価値の高い学習体験へと転換し、国内外の教育コミュニティに影響を与えている」と評価した。
国際的な注目を集める契機となったのは、2015年にサンパウロ市立アルミランチ・アリ・パレイラス校で始めたロボット工学教育だ。同校は複数のファヴェーラ(貧民街)に囲まれ、不法投棄が深刻な地域に立地しており、生徒からは「雨天時にはごみの影響で通学が困難になる」との声も上がっていた。こうした状況を受け、ガロファロ氏は廃材を教材として活用する「ロボット工学と廃材による持続可能性推進プロジェクト」を立ち上げた。
6〜14歳の生徒が回収した素材を用いて、ロボットやリモコン、車両、航空機、船舶の模型に加え、飲料販売機の試作機まで制作し、これまでに1トン超の廃材が学習資源として再利用された。生徒の創造性を引き出すと同時に、地域の環境問題への意識を高める効果も生んだ。
こうした取り組みが評価され、ガロファロ氏は2018年、150カ国以上から約3万人が応募したGTPでトップ50に選出され、翌19年にはトップ10に進出した。同賞の最終候補に南米地域から選ばれたのは同氏が初めてだった。
当時、ガロファロ氏は「ブラジルの教育者はすでに全員が勝者であり、私たちの夢はここからさらに続いていく」と語り、教育の可能性に対する前向きな姿勢を示していた。
ガロファロ氏は文学および教育学の学士号を持ち、カトリック大学サンパウロ校(PUCSP)で応用言語学の修士号を取得。米コロンビア大学の教育研究フェローとしても認定されている。
国際賞のファイナリスト選出後は、サンパウロ州教育局で「イノヴァ・エドゥカソン」プログラムの一環としてテクノロジー科導入に携わり、その後はリオ州教育局にも活動の場を広げた。現在は教員研修や教育政策の実務に加え、サンパウロ総合大学(USP)でも教鞭を執っている。









