W杯で売上が30%アップか=バールやレストランが期待

4年に1度のサッカーの祭典W杯が開催されると、観戦の為にテレビの売上が伸びるといった話があるが、今年はバールやレストランの売上が少なくとも30%アップするとの予想が出ていると24日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
ブラジル・バール・レストラン協会(Abrasel)は、今年のW杯は通常の大会の開催時期より暑い11~12月に開催される事や、13カ月給の支給時期に重なる事、ブラジル代表の試合が開催される時間帯は午後である事などから、いつものW杯よりも売上が伸びると見ている。
同協会のジョゼ・エドゥアルド・カマルゴ氏は、これらの項目は全て、バールやレストランに有利に働くと見ている。「バールは皆が集まる場所の一つだし、ブラジル国内ではサッカーの試合の様子をテレビで流すのはごく普通に行われている。だが、ブラジルの試合が昼食時に行われる日もある事やブラジルには様々な国の料理を楽しめるレストランも多いため、レストランが受ける恩恵はより大きいはず」という。
同協会が行った調査によると、全国のレストランの45%にあたる約170万軒は試合を中継し、その3分の1はW杯にちなんだ料理も用意するという。
他方、全国レストラン協会(ANR)のフェルナンド・ブロウエル事務局長は、W杯による売上増の可能性は明確ではないとし、パーセンテージを上げる事は避けている。同氏は、各レストランは個々に見通しを立てているが、起きてもいない事をどうこう言うよりも、実際に起きた事を評価すべきとし、W杯が終わった時にこれだけのインパクトがあったと言う方が正しいとした。
同氏は、W杯が選挙直後に行われる事や年末は多くの企業が忘年会や慰労会を計画する時期である事、12月は学校も休みになる事などで、決勝トーナメントが行われる12月にW杯を理由とする需要の高まりがあるかは不明確とし、需要の高まりに対応しきれるかも不明としている。
他方、パンデミックの期間中にデリバリー需要がそれまでの倍以上に増え、顧客もそれに慣れてきている事に言及し、デリバリーを取り入れている店の売上が増える可能性があると強調した。
AbraselとANRの間では雇用についても見解が異なる。Abraselは、9月に行った調査で、年末までに従業員を増やすと答えた店が約半数あり、25%は既に新たな採用を始めていたとし、これらの動きは需要が増すと見ているからで、業界は現状に対して肯定的に反応しているという。
ANRは現状では目に見える程の採用増は起きていないとし、その理由は、W杯はまださほど加熱していない事、多くの店はパンデミックの影響が残っており、人件費などのコストを大幅に増やす事を避けている事などを挙げている。
ブロウエル事務局長は、レストランが人を増やすとしたら一時採用で、それほど大幅な人員増とはならないと見ている。