「ネンネン」人口、25・8%に減少=勉強も仕事もしない若者

地理統計院(IBGE)が2日、2021年の社会指標についてまとめたSISと呼ばれる調査によると、15~29歳の若者の間では、勉強も仕事もしていない人が25・8%いたと発表したと2日付G1サイト、アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
勉強も仕事もしていない若者は「ネンネン」と呼ばれ、新型コロナのパンデミック前の2019年も24・1%いたが、パンデミック初年の2020年は対象年齢の28%(1390万人)に達した。
21年のネンネンの割合が20年を下回ったのは、予防接種の進展などで外出規制が緩み始めた事や、対面授業を再開する学校も出始めた事などが原因の可能性があるが、それでもまだ、パンデミック前の水準には戻り切っていない。
21年の場合、15~29歳で勉強も仕事もしていない人は1270万人おり、半数以上の62・5%(790万人)は女性だった。また、女性のネンネンを肌の色ごとに見ると、黒人または褐色(黒人系)の女性は全体の41・9%にあたる530万人、白人女性のネンネンは半分以下の260万人(20・5%)だった。
男性のネンネン(470万人)を見ると、24・3%にあたる300万人は黒人系で、白人は160万人(12・5%)だった。
IBGEによると、コロナ禍によってネンネンは増えたが、肌の色や性別で見た傾向はパンデミック前と変わらなかったという。
SISの調査担当者は、男性が勉強も仕事もしていない場合は失業や健康上の問題などで就労できないケースが多いが、女性の場合は、労働市場での制限や子供の世話の責任などの役割の差のせいで求職活動さえ諦める人が男性より多い事などが、コロナ禍には関係なく、ネンネンが多い理由となっていると見ている。
また、若者が労働市場に参入するのが難しく、解雇などにもあいやすいのは経験不足が最大の原因で、経済危機の時は特に、学歴不足などで質の高い労働力を供給できない人ほど不安定な立場に置かれるという。
経済開発機構(OECD)によると、20年の場合、ブラジルは勉強も仕事もしていない若者の割合が世界で3番目に高かった。ブラジルを上回ったのは南アフリカとコロンビアだけだったという。
また、14歳以上の就労可能な人口に占める就労者の比率は、20年が51%、21年が52・1%でやや改善しているが、パンデミック前の56・4%には戻っていない。この場合の就労率は、非正規の就労者も含む。
SISによると、14歳以上で就労している人の割合の男女差は19~21年に拡大している。19年は男性の66・8%、女性は46・7%が就労していたが、21年の就労者は男性が3・7%ポイント減の63・1%だったのに対し、女性は4・8%ポイント減の41・9%だった。
また、21年の非正規就労者は、黒人系が1・6%ポイント増えたのに対し、白人系は0・9%ポイント増にとどまった。所得面で見た人種間の差は69・4%に及んでいた。