site.title

次期政権への移行準備終了=現政権の法令撤回にも言及=ルーラ「喜びに満ちた国に」

2022年12月15日

移行作業終了イベントでのルーラ氏(Valter Campanato/Agência Brasil)
移行作業終了イベントでのルーラ氏(Valter Campanato/Agência Brasil)

 ブラジリアのブラジル銀行文化センターで13日、ルーラ政権への移行作業終了イベントが開かれたと13、14日付現地紙、サイトが報じた。イベントにはルーラ次期大統領夫妻やアルキミン次期副大統領夫妻、移行作業のコーディネーターのアロイージオ・メルカダンテ氏やグレイシ・ホフマン氏などが出席した。
 政治家や各分野の専門家による移行作業は32のグループに分かれて行われ、技術的な移行作業はメルカダンテ氏、政党その他の機関との調整はホフマン氏、就任式の準備などはルーラ氏夫人のジャンジャ氏が統括した。
 各グループは公的機関の働きや現状などを分析、診断し、次政権で必要となる措置や対策に関する提言などをまとめた。法律が認める有給の移行作業者は50人だが、今回は22人のみが有給で、約1千人のスタッフのほとんどはボランティアだった。アルキミン氏は、遠隔参加の専門家などを含め、5千人以上が参加したとし、ホフマン氏は社会運動団体や上下両院の議員達の積極的な参加も得た事に言及した。
 ルーラ氏は「我が国の現状をX線撮影のように的確に診断できるよう尽力してくれた人達への感謝の日」との言葉で奉仕者への謝辞を述べ、「この国が受けた損傷の完全なX線写真を手にする事ができる」と語った。
 損傷という言葉の意味は、次政権への提言には23ページに及ぶ撤回提言も含まれているという、メルカダンテ氏の言葉からもうかがわれる。同氏によると、ボルソナロ政権が出した暫定令などを細かく分析した結果、撤回が必要とされたものは全てそうされるという。同氏は撤回項目の詳細には言及しなかったが、銃の所持や携行を容易にした大統領令の見直しは確実視されており、軍関連施設前での抗議行動でも、大統領選当選者認証までに事態をひっくり返さないと銃を返却しなければならなくなるとの声も出ていた。
 ルーラ氏は「この国は喜びに満ちた国に戻らなければならない。それは約束の一つだ。4年間、昼夜兼行で働く」とし、国民の尊厳を取り戻すために選ばれた為政者として、3度の食事の確保や基礎教育の質の回復、労働面での男女平等などを改めて約束。「全ての人のための政府」を目指す事も強調した。


ブラジリア暴動、軍警が出動も逮捕者ゼロ=PT、市警、検察が疑問視前の記事 ブラジリア暴動、軍警が出動も逮捕者ゼロ=PT、市警、検察が疑問視ルーラ、BNDES総裁にメルカダンテを正式指名=公社法の改定も後押しに=ガリポロは財務省ナンバー2に次の記事ルーラ、BNDES総裁にメルカダンテを正式指名=公社法の改定も後押しに=ガリポロは財務省ナンバー2に
Loading...