ドイツのショルツ首相が来伯=アマゾン基金など協議か
在ブラジル・ドイツ大使館が20日、オラフ・ショルツ連邦首相が30日にブラジルを訪問すると公表したと同日付現地サイトが報じた。
ショルツ首相がブラジルを訪問する予定である事は19日にルーラ大統領が明らかにしていたが、20日は同国大使が正式に来訪を認めた。
今回のブラジル訪問では経済関係が中心議題となると見込みで、複数の閣僚や大手企業の代表なども帯同する予定と報じられている。
特に注目されているのは、1月1日のルーラ大統領の就任式に出席した同国のフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー連邦大統領が約束したアマゾン基金への資金の凍結解除の問題だ。
2008年に創設された同基金は、ドイツやノルウェーからの資金が活動資金の中心となっていた。両国の拠出額は法定アマゾンでの森林伐採量によって決まる約束だが、ボルソナロ政権が始まった2019年以降は森林伐採や森林火災が増えたため、2017年の森林伐採減少によって約束されていた3500万ユーロの資金が凍結されていた。
シュタインマイヤー大統領が約束した資金の凍結解除は、第1、第2期ルーラ政権での伐採削減の実績や、マリーナ・シルヴァ氏が環境相に返り咲いた事などを受けたものだ。持続可能な開発や緑の経済はダボス会議でも議題となっていた。
他方、ルーラ氏は欧州などで極右勢力が伸びている事も話題とすると見られている。ドイツは8日に起きた三権中枢施設襲撃事件の後に反民主主義的な行為を批判する声明を出した国の一つで、ショルツ首相自身が9日にルーラ氏とブラジル国民への連帯の意を表明するツイッターを流している。