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ヤノマミ族=金鉱夫による妊娠30人?=州防災局は21年から警告=人身売買の疑い6件も

2023年2月4日

金鉱夫達に占拠されたヤノマミ族の居住地(NACHO DOCE)
金鉱夫達に占拠されたヤノマミ族の居住地(NACHO DOCE)

 【既報関連】ここ4年間に栄養失調などで5歳未満児が最低で570人死亡したロライマ州のヤノマミ族居住地での金鉱夫侵入による影響や、前政権の不作為を示す事実が判明中と1~3日付現地サイトが報じた。 ヤノマミ族居住地での水銀汚染や土地略奪などの歴史は古く、殺人や婦女子の誘拐・強姦も後を絶たない。
 1月30日にヤノマミ族特別保護区で開かれた会合でアリエル・デ・カストロ人権省国家青少年人権局長が受けた告発は、同族の窮状が広範なものである事を示す一例だ。会合には先住民審議会(CIR)や国立インジオ保護財団(Funai)の代表、保健省の緊急作戦担当者らも出席。金鉱夫により懐妊させられた妊婦が30人はいる事や、同族以外の人が養子縁組を試み、人身売買が疑われる例も6件ある事などが報告されたという。
 カストロ局長は市警や連警、連邦検察庁に告発するため、妊婦の名前や各団体の弁護士の見解を提示する事を求めた。
 緊急事態宣言で医療従事者が派遣されて以来、ヤノマミ族は毎日5~6人が州都に運ばれて治療を受けているが、死者も出ている。
 また、同州防災局のクレウジオアル・アルベス・フェレイラ大佐は、2021年の水害時に栄養失調や食糧不足の問題も連邦政府に報告し、食料品セットの送付を依頼した事や地域開発省が食料品購入や航空機調達用の資金を送って来た事を証言。
 だが、人権省が自分達は支援ができないから国防省やFunaiなどに要請を回したとし、Funaiが全州の先住民1万1600世帯に食料品セット7万個を送ると連絡してきたが、緊急事態扱いではなかったため、ヤノマミ族には食料品が届けられなかった事も明らかにした。
 検察庁などの諸機関や先住民団体は以前から、ヤノマミ族居住地での人道危機は水害に大量の金鉱夫の不法侵入が加わった人災として告発。同族内の先住民団体は、金鉱夫による森林破壊は2018年の1236ヘクタールが昨年は5053ヘクタールと急増中で、不法採掘地での溜まり水での蚊の大量発生など、多くの要因が重なり、現在のような事態を招いたとしている。
 カストロ局長は前政権が医療従事者や軍兵士、食糧などをつぎ込んだ緊急支援を行っていればと、間接的に不作為を批判したが、アイルトン・モウロン上議(前副大統領)は、「栄養失調者やマラリア患者はベネズエラから来た」などと語り、責任転嫁している。


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