サンパウロ州、相続税減税に拒否権=現状通りに4%のまま
タルシジオ・デ・フレイタス・サンパウロ州知事(共和者・RP)は7日、2022年の州議会で承認されていた相続税の課税率引き下げに拒否権を行使。これにより相続税は現状通りとなった。8日付現地サイトが報じている。
死亡による資産や権利の相続や寄付に関する租税(ITCMD)の課税率は、昨年の州議会で、相続の場合は4%から1%、献金の場合は0・5%に引き下げられることが承認された。この通りならば、州は年間で40億レアルの減収となることが想定されていた。
タルシジオ知事は8日に州議会に提出した文書で、「課税対象者の負担は上がることになってしまうが、州の財政の現実も省みなければならない」と、拒否権を行使した理由を説明した。
この法案はフレデリコ・ダヴィラ州議(自由党・PL)を報告官として提案されたもので、「パンデミックの後に相続税を高く支払う状況は公正とは言えない」という観点から起草された。
同知事は、財務・企画局が今回の法案がITCMDによる税収をほとんど台無しにしてしまうことに反対していたとも記している。
ITCMDの課税率は州によって異なり、4%を採用しているのはパラナ州、ロライマ州、エスピリトサント州などだ。また、サンタカタリーナ州のように上限8%、下限1%といった変動制を採用している州もある。