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人道支援の空軍機が帰還=トルコ在住の伯人ら乗せ=外に出た瞬間に建物が崩壊

2023年2月14日

無事帰還の喜びを体中で表すブラジル人男性(FAB/Reproducao)
無事帰還の喜びを体中で表すブラジル人男性(FAB/Reproducao)

 【既報関連】6日に起きた大地震を受けてブラジルが派遣した人道支援のための消防士などをトルコまで運んだ空軍機が、現地にいたブラジル人らを乗せて12日未明にリオに帰還したと9~13日付現地紙、サイトが報じた。
 マグニチュード7・8という巨大地震の犠牲者の数が日毎に増えている中、ブラジルが派遣した消防士や医療、防災関係者ら計42人は9日夜、トルコの首都アンカラに到着。その後、震源地のアダナ市に向かった。サンパウロ州、ミナス州、エスピリトサント州から派遣された消防士達は2週間現地に留まり、被災者救援にあたる予定で、支援作業用の救援物資6トンと警察犬4匹も共に届けられた。
 救援物資には保健省が用意した緊急支援物資750キロも含まれている。この量は500人に3カ月間(または1500人に1カ月間)対応できる。
 空軍機は人員や救援物資の搬送後、現地にいたブラジル人ら17人を乗せて帰路についた。
 乗客を乗せた空軍機では最長距離とされる旅は14時間に及び、交換留学でアダナ市に着いた翌日未明に被災したブラジル人教師のギリェルメ・ブリット氏(22)や、夫と息子との3人暮らしだったが、命以外は全て失ったという妊婦のフェルナンダ・リマ氏ら、ブラジル人9人とシリア人3人、トルコ人とコロンビア人各2人、エジプト人1人(大人13人、子供4人)は12日未明にリオ市に着いた。
 ブリット氏は最初の揺れで目覚めた後、より強い揺れが来たので屋外に逃げたが、少なくとも三つのビルが崩壊、その他のビルにもヒビが入っていたと述懐。体感温度零下1度という厳しい寒さで亡くなった人もいたはずという。同氏は現地で救援作業に加わる事を考えていたが、建物崩壊でリスクが高まり、帰国を決めたという。
 リマ氏はいつもと違う強い揺れに驚き、夫と息子を起こし、大急ぎで外に駆け出すと、その途端にアパートが崩壊し、全財産を失ったという。
 セアラー州生まれで8年間中東に住んでいたというアミナ・ナハン氏は、シリアにいた時に知り合った男性と結婚。内戦激化でトルコに移り、看護婦として人道支援に携わっていたが、全財産を失い、難民としてブラジルに戻って来た。祖国の土を踏み、チーズを挟んだパンを受け取った時、食べ慣れていたはずのパンの大切さを実感。二人で仕事を探し、人々からの支援と連帯の中で生きていかなければとの言葉で現状を乗り越えて行く覚悟を示したと報道されている。


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