PT副党首=党宿敵と仲良く投稿で物議=「軍との対話」と抗弁するも

ボルソナロ政権でのコロナ禍への対応で責任を問われている元保健相のエドゥアルド・パズエロ氏との写真を拡散したとして、労働者党(PT)の副党首が強い批判にさらされている。15〜17日付現地紙、サイトが報じている。
この騒動は14日、リオ州選出でPT副党首のワシントン・カカー下議が、2月から下議となったパズエロ氏と笑顔で肩を組んで写った写真をインスタグラムに投稿したことで起こった。両者はこの時、ペトロブラスのジェアン・パウル・プラテス総裁との会合に出席した直後だった。
カカー氏はこの投稿に際し、「パズエロ氏と話ができてよかった。彼はすごく分別のある良い人だった」とし、「軍との良い架け橋になりそうだ」と話した。
この投稿はすぐに批判の対象となった。その理由は、パズエロ氏がブラジルでのコロナ禍を悪化させた張本人のひとりと見なされているためだ。同氏はボルソナロ政権時代に医療経験もないのに保健相に就任。2021年1月にアマゾナス州マナウスで起きた、酸素不足による死者発生などを伴う医療崩壊を招いたことや、ボルソナロ前大統領が推し進めていた、医学的にはコロナに効用がないとされるクロロキンの処方推進を止められず、ワクチン導入も遅らせたことなどに対する責任を強く問われていた。
カカー氏は自身への批判に対し、「スターリンのようで民主的でない」「民主主義を理解できない間抜けな反応だ」と反発した。だが、PTのグレイシ・ホフマン党首も「すべてのことには限界がある」とし、カカー氏の行動を行き過ぎたものとして注意。「PTにとっては礼節を欠く行為」だとした。
カカー下議はグレイシ党首から批判された後はこの件に関して口を閉ざしていたが、16日にグローボニュースから同件についてたずねられると、表情を曇らせ、「ルーラ政権への批判の手助けをしている局のくせに」などと言って怒った。