ルーラ=検察庁長官人事で3人リスト無視=最高裁判事にザニン氏を指名か

2日付エスタード紙(1)によれば、ルーラ大統領は、全国検察協会(ANPR)が作成した3人候補リストの中から連邦検察庁の次期長官を選出することを否定した。次の最高裁判所(STF)の判事欠員に指名する可能性のある名前について、ラヴァ・ジャット裁判のルーラ側弁護士を務めてきたクリスティアーノ・ザニン・マルチンス氏が最適と述べた。
大統領は1日にBandNews FM Radioでの取材に答え、「私はただ、まともで品格があり、人格者で、尊敬される市民を選びたい。もうPGR(連邦検察庁)の3人候補リストを考えることはないし、選択の基準でもない。より賢明な判断をする」と語った。現在のアウグスト・アラス検察庁長官の任期は9月に終了する。
ルーラ第1、第2政権、ジウマ政権で大統領によって選出された3人の同長官は、いずれもANPRによる3人リストの中から指名された。テメル元大統領はリストの2番目から選択した。
この3人候補は、検察官自らが互選投票で長官にふさわしい人物を選んだリスト。政治権力の介入に抵抗でき、捜査経験が豊富な人物が選ばれる。3人から選ぶ法的な義務はないが、「民主的な伝統」として代々の大統領は尊重してきた。リスト外から初めて選んだのはボルソナロ大統領で、今回ルーラ氏はそれを踏襲すると明言した形になる。
検察庁長官には唯一、大統領を含めた特権的政治家の捜査をする権限がある。大統領の意のままになる人物がこの役職を握れば、ボルソナロ氏の時のようにどんなに容疑があっても捜査開始にはつながらない。
一方、75歳の定年を迎えてリカルド・レヴァンドウスキ最高裁判事が5月に引退、10月にはローザ・ウェベル同長官も退任する。その後任をルーラ氏は指名できる。
その第一候補として若干47歳のザニン氏が挙げられた。聖州ピラシカバ生まれで、電気通信分野の弁護士としてキャリアをスタートさせ、ラヴァ・ジャット作戦で実刑判決が出たルーラ氏を徹底的に擁護した。最高裁が同作戦の裁判のやり直しを命じて有罪判決が取り消されたため、「ルーラを放免した弁護士」として注目されていた。ルーラ氏は「今日最高裁にザニン氏を指名したら、誰もが彼をふさわしいと理解するだろう」と述べた。だが裁判官の経験はない。