「40歳の学生は引退を」=若い女学生の年齢差別投稿が波紋
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サンパウロ州内の大学から拡散された動画を契機として、エタリズモ(年齢による差別)が社会問題となっている。
11日付G1サイト(1)などによると、10日、サンパウロ州バウルーの大学で今月で45歳になる女学生パトリシア・リナレスさんに対し、ふた回り年の離れた女学生3人が集まり、「彼女はもう40歳なんだから、学生は引退しなきゃ」「本当にそう思う」という会話を行ったり、「彼女は学校をやめなくてはならないと思う。なぜならグーグルでの検索を知らないのだから」などとからかったりする動画が拡散された。
この動画は当初、インスタグラムで仲間内だけで拡散する予定だったというが、結果的にこの仲間内で問題となり、一気に拡散してしまったという。
動画を目にしたパトリシアさんの姪は、「叔母は昔から勉強したいという夢を持っていたが、長いこと、それができない状況にいた。それがやっとかなった矢先だというのに」と遺憾の意を表明。多くの人の共感を得る形となった。
パトリシアさんはテラ・サイトの取材に対し、「この仕打ちを受けた時はすごく泣いた。でも、これで私の夢を諦めることはできない」と語っている。
CNNブラジルによると、エタリズモは世界保健機関(WHO)でも被害報告が行われているほど、精神疾患の要因として注目されているもので、ブラジル老齢医学学会のイヴェッテ・ベルケンブロック会長も、「年齢によって拒絶されることで、鬱の状態を引き起こす可能性もある」と語っている。
この一件後、心ある同校の学生たちはその日の内にパトリシアさんを応援するメッセージやプレゼントを贈った。また、全国の40歳以上の学生たちの間でも、助け合いの輪が結成されるなどの動きが出ている。