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Selic=中銀が13・75%維持=諸方面から批判の声出るも

2023年3月24日

中央銀行(Marcello Casal Jr/Agencia Braisl)
中央銀行(Marcello Casal Jr/Agencia Braisl)

 中央銀行通貨政策委員会(Copom)が22日、経済基本金利(Selic)を年13・75%で維持する事を満場一致で決めたが、諸方面から批判の声が出ていると22日付アジェンシア・ブラジル(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)などが報じた。
 今回会合は経済減速と政府からの圧力の中で開かれたが、予想通り、5回連続の現行金利維持となった。
 中銀は会合後、世界的なインフレ継続や米国や欧州の中銀が金利を引き上げている事、燃料費上昇によるインフレ圧力の高まりで、短期的に見た国内での不確実性減少などを理由に挙げた。他方、金融市場の不安定性の高まりやインフレが目標上限を超えた状態が続いている事を受け、金融政策は慎重に行う必要があると強調した。
 Selicは高インフレが続く時には引き上げられ、経済活動の活性化が必要な時には引き下げられるが、現在のブラジルはインフレが高止まりした状態で経済活動も減速という不安定な状態にある。
 しかも、燃料費上昇でインフレ圧力が増した事もあり、2月の広範囲消費者物価指数(IPCA)は前月比増を記録。12カ月間の累積は5・6%で前月比減だが、政府目標以上だ。中銀はインフレ抑制努力を続けているが、市場では今年も目標上限を超えると予想。それでも、8月以降は金利が下がり始めると見ている。
 だが、産業界や政界からは金利維持に対する批判が噴出。全国工業連合(CNI)は基本金利維持は「誤り」とし、現状ではインフレ抑制のための高金利は不要で、余分な経費発生を招くと批判。次回会合からの金利引き下げ開始を望むとの声明も発表した。
 ルイ・コスタ官房長官は今回の会合の結果を「鈍感」と批判し、「中銀の鈍感さは失業者を増し、国民の苦しみを増す」「金利が下がれば庶民は楽になり、企業家も農業や商業、工業に投資できる」「インフレ半減後も薬の量を保つ意味がわからない」と語った。
 ハダジ財相も、経済が後退している時に金利の再引き上げさえ示唆した事への懸念を示し、「非常に心配している」と語った。
 他方、グスタヴォ・ロヨラ元中銀総裁は23日付エスタード紙(8)のインタビューで、政府の中銀批判は自分で自分の首を締める行為とし、財政・金融政策への信頼感を高め、保つ必要を強調した。


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