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サンパウロ市の州立校襲撃事件=犯人は今月入った転校生=共犯者の存在含め捜査継続

2023年3月29日

男子生徒を取り押さえ、被害拡大を防いだ体育教師のシンチア氏(右端、Fernando Frazão/Agência Brasil)
男子生徒を取り押さえ、被害拡大を防いだ体育教師のシンチア氏(右端、Fernando Frazão/Agência Brasil)

 【既報関連】27日朝、サンパウロ市西部の州立トマジア・モントロ校で起きた13歳生徒による死傷事件は大きな波紋をもたらしたが、男子生徒は他校で起こした暴力沙汰が原因で2週間前に転校してきたことなどが判明し、今後の対応が問題視されていると28日付G1サイト(1)(2)(3)などが報じた。
 事件発生は27日7時20分頃で、人種差別発言で起きた先週の喧嘩沙汰で注意を受けた男子生徒が、「復讐してやる」との言葉通り、点呼中の教師を刺し、教師を助けようとした男子生徒や他の教師にも切りつけた。
 喧嘩を引き分け、男子生徒に注意して恨みを買ったエリザベッテ・テンレイロ氏(71)は背後から複数回刺され、病院に運ばれたが死亡。教師3人と生徒1人が負傷して、女子生徒1人がショック状態で病院に運ばれた。教師の1人は手術後も入院加療中だが、その他の教師と生徒は同日中に退院した。
 男子生徒は体育教師のシンチア・バルボーザ氏によって羽交い絞めにされ、やはり教員のサンドラ・ペレイラ氏に刃物と覆面を取りあげられた後、警察に引き渡された。少年院収容のための口頭試問や検察による尋問は28日に行われたが、27日に取り調べを行った警官によると、後悔の色はなく、冷ややかな態度だったという。
 なお、27日付G1サイト(4)によると、男子生徒が3月初めまで在籍していたサンパウロ大都市圏タボアン・ダ・セラの州立ジョゼ・ロベルト・パシェコ校の教師は、2月28日に警察に脅迫で被害届を出している。男子生徒はSNSに武器の写真や暴力的な攻撃をほのめかす文を掲載。メッセージアプリで生徒達に武器の写真を送りつけたりもしていたという。
 男子生徒が脅迫などを行っていたことは、ある調査員がバイア州保安局に送った集団殺人をほのめかす写真やメッセージをツイートした人物のプロフィールの中に男子生徒のものも入っていたことからもうかがわれる。
 州保安局は27日、男子生徒のツイートにコメントを書き込んだりした人物と事件との関連性も調査する意向を表明。共犯者の存在も否定していない。
 サンパウロ州政府は同件で3日間の服喪を宣言し、現場の学校は1週間休校とした。28日付G1サイト(5)によると、退職後も教育に使命を感じて教壇に立ち続けていたエリザベッテ氏の葬儀は、28日にサンパウロ市西部アラサー墓地で行われた。


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