インフレ予測5・98%に=中銀の経済動向予測調査で

中銀の経済動向予測調査「フォーカス」によると、10日に発表された市場のインフレ予測(6日までの集計分)は5・96%から5・98%に上方修正されており、今年のインフレも目標上限を上回る可能性がますます強まっていると10日付アジェンシア・ブラジル(1)(2)(3)(4)などが報じた。
広範囲消費者物価指数(IPCA)の予測値は3月17日と24日にやや下がった後、再び上昇に転じた。22年12月9日は5・08%だったから、4カ月間で0・90%ポイント上昇したことになる。この値は政府公式のインフレ目標の上限(中央値+1・5%ポイント)である4・75%を完全に超えている。中銀によると、今年のIPCAが目標上限を上回る可能性は83%だという。
2024年のIPCAの予測値は4・14%、25年と26年の予測値は4%となってとなっている。24年の目標中央値は3%で上限は4・5%だから、現時点ではまだ、上限を下回っている。
ルーラ大統領やハダジ財相らは経済基本金利(Selic)が高すぎると苦言を呈しているが、インフレ予測が上昇傾向にあることはインフレ抑制のために引き上げられたSelicが高止まりした状態が続く可能性も示唆する。
市場関係者は今年の年末時点のSelicは12・75%、来年末は10%まで下がると予測。25年と26年の予測値は各々、9%と8・75%となっている。
今年の国内総生産(GDP)の予測成長率は0・9%から0・91%に微増。24年の予測値は1・44%で、25年と26年の予測値は各々、1・76%と1・8%となっている。
為替レートの予測値は、今年末が1ドル=5・25レアル、24年末は1ドル=5・27レアルとなっている。