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ヤノマミ族居住地=金鉱夫に襲われ先住民死傷=犯罪組織が支える不法採掘

2023年5月3日

各地に広がる金の不法採掘地(LEO OTERO/MPI)
各地に広がる金の不法採掘地(LEO OTERO/MPI)

 ロライマ州のヤノマミ族居住地で4月29日午後、不法採掘中の金鉱夫達が先住民部落を襲い、死傷者が出た。翌日は連邦道路警察(PRF)と国立再生可能天然資源・環境院(Ibama)の職員らに発砲した金鉱夫(ガリンペイロ)4人が死亡する事件も起きたと4月30~5月2日付アジェンシア・ブラジル(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)などが報じた。
 襲撃されたのはヤノマミ族居住地内のウシウー部落で、保健衛生担当の男性職員1人が頭を撃たれて即死。別の2人も被弾して州都ボア・ヴィスタの総合病院に運ばれ、手術を受けた後、入院中だ。
 ヤノマミ族居住地は国内最大の先住民族保護区で、近年は金の不法採掘が横行。2021年は不法採掘が前年比で46%増の3277ヘクタールに及び、約30年前の保護区の境界制定、批准後で最大とされたが、昨年はさらに54%増えた。
 金の不法採掘急増はヤノマミ族居住地での犯罪行為増加や、金精製に使う水銀による土壌や河川の汚染と農水産物減少、極度の栄養失調、水銀中毒、水溜りの管理不足によるマラリヤ蔓延などの保健衛生上の問題拡大を招いた。1月にはヤノマミ族居住地に保健衛生上の緊急事態が宣言され、金鉱夫の取り締まりや不法採掘地の差し押さえ、航空機や船などの破壊、焼却処分なども始まったが、不法採掘は続いている。
 部落襲撃の目的は不明だが、連警は金鉱夫達と対峙した先住民達が銃撃戦となり、3人が死傷と発表。4月30日には空軍や国立インジオ保護財団(Funai)の支援を得、同日未明に捜査と暴行防止のためのスタッフ2組を派遣している。
 なお、連邦政府は即座に先住民相や環境相らを現地に派遣。環境省は1日朝、オウロ・ミルと呼ばれる不法採掘所の監視に向かったPRFとIbamaの職員が4月30日夜、金鉱夫達から銃撃されて応戦し、4人を銃殺し、ライフル1丁、拳銃3丁、ショットガン7丁に弾薬やラジオ、携帯電話などを押収したと発表した。
 2日には、死亡した金鉱夫の1人はガリンペイロス・ファクシオナドスと呼ばれる不法採掘を取り仕切る犯罪組織のリーダーで、ヤノマミ族居住地では現在も犯罪組織による不法採掘が続いていることが明白になったことも明らかにされた。
 4月28日付アジェンシア・ブラジル(10)によると、ブラジルは2日、先住民や黒人の大量殺害に関する国連派遣調査団を受け入れることになっている。


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