ルーラ政権=下院で今週2度目の敗北=基礎衛生の大統領令却下

下院は3日、ルーラ大統領が4月に出した基礎衛生の枠組改定に関する大統領令2件の部分的な却下を、過半数の投票結果で承認した。ルーラ政権は前日、フェイクニュース対策法案(PL2630/2023)の採決延期という苦い経験をした。3日付フォーリャ紙(1)などが報じている。
却下の有無を問う投票結果は295対136で、ルーラ政権側の完敗となった。
水質浄化などを定めた「基礎衛生の枠組」は、ルーラ大統領が4月に出した大統領令によって改定されたが、上下水道の工事期限が無条件に延期されるなど公社の怠慢とも言える現状を是認する内容が含まれていることから、改定の内容には当初から反発が強かった。
今回、部分的な却下の対象となった項目には、「公社が小規模地域や都市圏の水道サービスを入札なしで請け負える」ことなどが含まれている。
アルトゥール・リラ下院議長(進歩党・PP)自身もこの大統領令には不満を示しており、「連邦政府側で訂正しないなら議会側で見直しをすることになる」と事前に宣言していた。
この投票では、ルーラ政権に閣僚を抱える社会民主党(PSD)やウニオン、民主運動(MDB)、さらにジェラルド・アルキミン副大統領が所属するブラジル社会党(PSB)の下議も反対票を投じ、ルーラ政権による連邦議会での基盤の脆弱さや政局調整の甘さが露呈された。
こうした事態を予想した労働者党(PT)やブラジル共産党(PCdoB)、緑の党(PV)は事前に投票の延期を申し出ていたが、受けいれられなかった。
連邦政府は2日も、グーグルなどのSNSの大型プラットフォームの抗議運動などを受け、かねてから国民の間でも話題となっていたフェイクニュース規制法案(PL2630/2023)の投票延期を余儀なくされており、「連邦政府側の敗北」として大きく報じられたばかりだった。