アッピオ判事=鑑定で疑惑の電話は別人=第4地裁判断とは異なる=LJ担当への復帰を要請
[embed]https://twitter.com/revistaforum/status/1665828624228929540[/embed]
連邦第4地域裁判(TRF4)の判断で5月22日にラヴァ・ジャット作戦(LJ)判事を外されたパラナ州連邦地裁のエドゥアルド・アッピオ氏が行ったとされていた、セルジオ・モロ元LJ判事(現・上議)の共同経営者への脅迫電話の声に関し、「本人であるとは言い難い」との鑑定結果が5日に出た。これでモロ氏に不利な審理を進めているアッピオ氏の判事復帰の可能性も出てきた。5日付UOLサイト(1)(2)(3)が報じている。
今年からLJ判事に就任したアッピオ氏は、これまでのLJ捜査で囁かれていた疑惑の解明を進めており、同作戦の被告の一人の弁護士タクラ・ドゥラン氏から得た、「モロ氏に近い筋から逮捕逃れのための賄賂を強要された」との証言に関する調査も手掛けていた。また、事件主犯格の闇両替商のアルベルト・ユセフ氏も、「自身の逮捕中に盗聴を仕掛けていた」としてモロ氏を訴える供述をしようとしていた。
その矢先の5月22日、アッピオ判事は2審担当の裁判所TRF4から突然、LJの担当から外される判断を出された。それはアッピオ氏がモロ氏の共同経営者で、モロ氏の娘の恋人とも言われているジョアン・マルセッリ氏に偽名で個人情報などに関する脅迫電話をかけた疑いが生じたためだった。
訴えを進めたのはジョアン氏の父親のTRF4判事マルセロ・マルセッリ氏だ。同氏はモロ氏との関係性の近さから、モロ氏の絡む件での判断を辞しているが、同氏が息子への脅迫電話があったとTRF4の倫理委員会に働きかけたことで、アッピオ氏のLJ担当解任が決まった。この件では、モロ氏自身もこの電話を不審視し、アッピオ氏からの電話だとする訴えを手伝ったことを5月23日に認めている。
アッピオ氏はこれに対してしばらく沈黙を保っていたが、翌週、全国法務審議会(CNJ)に疑惑の電話の声は自分のものでないと訴え、鑑定を行うよう求めた。担当弁護士のペドロ・セラーノ氏は5日、アッピオ氏が沈黙を保っていたのは、「私が止めたから」と説明している。
その声の鑑定結果は5日に出て、「アッピオ氏のものとは判定しがたい」と判断された。鑑定を担当したのはサンパウロ州サンカルロス連邦大学教授で法医学音声学が専門のパブロ・アランテス氏で、「マイナス4(最低値)~プラス4(最高値)の9段階で、録音の声とアッピオ氏の声の近さは0」と判定された。
TRF4は連邦警察に鑑定を依頼し、「プラス3と判断された」としてアッピオ氏解任に踏み切った。だが、アランテス氏は「フォルス・ポジティヴ(偽陽性)が出た可能性がある」としている。
この結果を受けて、アッピオ判事はLJ担当判事への復帰申請を行った。セラーノ弁護士は、対話が行われたとされる携帯電話は押収も検査もされていないことも含め、「アッピオ氏が不正行為の犠牲者だと確証できる」と語っている。
現在のLJ担当判事には、かつてモロ氏の後任として同件判事を務めたガブリエラ・ハルト氏が暫定でついているが、同氏はかねてから担当判事就任に難色を示していた上、先週末に「自分はモロ氏の内通者だった」と訴えて話題となったトニー・ガルシア氏に名指しされたため、ガルシア氏関係の案件には加わらないとの意向を5日に表明している。