フランス=ルーラが各国首脳と会談=ショーやサミットでも演説

欧州訪問中のルーラ大統領は22日にフランスに入り、環境問題を取り上げる新世界金融協定サミットや並行開催の音楽のショーに参加して演説を行ったと22~23日付アジェンシア・ブラジルなど(1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)(12)(13)(14)(15)(16)が報じた。
ルーラ氏は22日、滞在先のイタリアで、ニカラグアで拘束中の聖職者ロランド・アルヴァレス氏を開放するよう、ダニエル・オルテガ大統領を説得することを約束後、フランスに移動した。
フランス訪問は22日からの新世界金融協定サミットに参加するためだ。マクロン氏の呼び掛けで開かれた会議は気候変動で生じる経費や対策費は誰がどのような形で負担するかを論ずるためのもので、100以上の国や地域が参加。グティエレス国連事務総長やマクロン大統領が開会式での演説を行った。
ルーラ氏は初日は会議に参加せず、BRICSの新開発銀行頭取のジルマ・ロウセフ元大統領と共に、南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領やキューバのミゲル・ディアス=カネル大統領らと会談。マクロン大統領夫妻が開いた歓迎夕食会にも参加した。
また、同日午後は英国のバンドColdplayなどの呼び掛けで開かれた音楽イベントの「ザ・パワー・オブ・プラネット」に参加し、「アフリカやラ米の人が世界を汚染したのではない。過去200年間、世界を汚染してきたのは産業革命を推進してきた人達。彼らは地球に対して負う歴史的な負債を払わなければならない」と語り、喝采を浴びた。
ルーラ氏は23日にはサミットでも演説を行い、アマゾンとは何かを理解するため、アマゾンを重要視し、マゾンを賞賛し、アマゾンが世界の肺だという全ての人が2025年にパラー州ベレンで開かれる第30回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)に参加するよう呼びかけ、8月12日には南米の全首脳がベレン市で会合を開くとアピール。2030年までにアマゾンでの伐採をゼロ化する約束も再確認した。
熱帯雨林が残る国々との話し合いやアマゾン以外の生態系の保護や保存も望んでいることと共に、世界で拡大している種々の格差や飢餓との戦いなどにも言及。世界銀行やIMFは本当に必要としている国の要請に応えられておらず、機能を見直し、新しい方向性を打ち出すことやより多くの資金が必要なことなども強調し、強固なリーダーシップや貧しい国や人々を取り組む必要も説いた。
ルーラ氏が批判した欧州連合によるメルコスルとの自由貿易協定への新条件付加への応答はなかったが、マクロン氏は開発途上国での環境保護のための基金創設と先進国による1千億ドル拠出を約束した。