基礎的財政収支=6月は452億レの赤字=上半期では425億レに

財務省国庫局が27日、6月の連邦政府の基礎的財政収支は452・23億レアルの赤字だったと発表したと同日付G1サイトなど(1)(2)が報じた。基礎的財政収支は税収・税外収入と国債費を除く歳出との収支を示し、政策的な必要経費をその時点の税収などでどの位賄えているかを示す。
6月の基礎的財政赤字は市場や政府の予想以上で、6月としては2021年の734・74億レアル(インフレ調整後の実質で848億レアル)以来の高額となった。昨年6月は名目上で145・88億レアル、インフレ調整後で150億レアルの黒字だったが、今年は収入が実質で26・1%減、支出は同4・9%増で、赤字に転じた。
25日付G1サイトなど(3)(4)によると、6月の連邦税収は1804・7億レアルで昨年同月より3・4%減だったが、昨年6月に民営化されたエレトロブラスの水力発電所の利権分で275億レアルを払った上、昨年6月はあった社会経済開発銀行(BNDES)による配当金195億レアルが入って来ず、収入が激減した。
他方、昨年は4~6月に分けて行われた年金受給者などへの13カ月給の支払いが5月と6月の2回だったことによる社会保障給付金の115・7億レアル増やボルサ・ファミリア(生活扶助)給付金の82億レアル増、公務員給調整などが支出増を招いた。公共事業費や資材購入費も実質で9・4%増えたが、経費増の一部は新型コロナのパンデミックで生じていた経費の減額などで相殺されている。
これにより、上半期の累積は425・09億レアルの基礎的財政赤字となった。累積額が6月より小さいのは、1月が783・26億レアルの基礎的財政黒字だったからだ。昨年は名目で543億レアル、実質で590億レアルの黒字だった。
今年のLOA(年間予算法)での基礎的財政赤字は2281億レで、枠内で十分納まりそうだが、財務省は財政均衡法案提出時に今年の基礎的財政赤字は1454憶レアル、来年はゼロとの目標を掲げており、燃料などへの連邦税課税再開などの効果が強まる下半期の動きが注目される。
なお、28日付G1サイトなど(5)(6)によると6月は連邦自治体や市でも税収が減り、全体で488・88億レアルの基礎的財政赤字を記録。昨年同月は143・95億レアルの黒字だった。上半期では204・7億レアルの赤字で、コロナ禍で赤字が増えた2020年以来の高額だ。上半期の基礎的財政赤字は国内総生産(GDP)の0・39%にあたる。