強姦件数が24年に過去最悪=14歳未満への加害者の6割が家族

24日に発表された最新のブラジル公安フォーラム(FBSP)調査結果によると、24年に国内で記録された強姦被害者の件数は、前年比0・9%増の8万7545件に達し、統計史上過去最悪を記録。6分ごとに1人が被害に遭っている計算で、11年と比較して2倍以上の件数に相当すると同日付テラなど(1)(2)が報じた。
FBSPによると24年に発生した強姦件数のうち、76・8%にあたる6万7204件が「脆弱者に対する強姦」と分類され、その被害者は14歳未満の未成年者や障害者となっている。うち61・3%は13歳以下で、特に10〜13歳に被害が集中する。
被害者は女性が圧倒的に多く、弱者への強姦においては男性の1万1千件に対し、女性は5万6千件で5倍以上の差。黒人女性は被害者全体の55・6%を占めている。
FBSPは未報告事件の問題にも言及しており、特に強姦未遂に関するデータは実際の発生件数を反映していないと指摘。24年に報告された強姦未遂の件数は5176件であり、強姦被害件数に比べて圧倒的に少ない。この差は、被害者が事件を犯罪として認識していないことや、警察・司法機関が未遂事件を性犯罪として認識しないことが一因とされている。
未遂事件が性的暴行や性犯罪の実態を適切に反映していないことは、被害者の認識の不足と制度的な認知の欠如によるもので、今後の法的な枠組みや支援体制の改善が求められている。
地域ごとの性犯罪発生率にも大きな差がある。強姦の発生率はロライマ州が最も高く、10万人当たり137・0件、次いでアクレ州(112・5件)、ロンドニア州(99・5件)と続く。一方でセアラー州(22・0件)、ミナス・ジェライス州(26・5件)、パライバ州(27・4件)などは比較的低い率に留まった。弱者への強姦に関しても、ロライマ州が10万人当たり191・8件で最も高い割合を示し、マット・グロッソ州は6・4件と最も低かった。こうした地域差は、各州の文化的背景や教育レベル、法的枠組みの違いが影響していると考えられる。
性犯罪の発生場所を見ると強姦事件の65・7%が自宅で発生し、弱者への強姦ではその割合が67・9%に達した。これに対して、公共の場で発生した事件は13・2%だった。特に女性に対する強姦では20・2%が公共の場で発生したが、弱者への強姦ではその割合は11%にとどまった。
このデータは、家庭内性暴力が依然として重大な問題であることを示しており、加害者が身近な人である場合が多いことを示唆している。特に、14歳未満の被害者に対する加害者の59・5%が家族であるという事実は、性犯罪が日常的な環境で発生していることを警告している。
その他の性犯罪も前年に比べて増加していることが報告されている。「セクハラ」は8353件(前年比6・7%増)、「性的嫌がらせ」は3万7972件(4・7%増)、「性的な内容を含む写真・映像の拡散」は7175件(13・1%増)、そして「性的搾取」は528件(前年のデータなし)だった。