未成年同士で残虐殺人事件=両腕両脚切断、池に沈める

サンパウロ州オルトランジア市で18日、数日前から行方不明となっていた15歳の少女が池の中から遺体で発見された。遺体には刃物による複数の刺し傷が確認され、両腕両脚は切断された状態だった。さらに、背中には凶悪犯罪組織「州都第一コマンド」の頭文字〝PCC〟が刻まれており、当初は組織的な重大犯罪に巻き込まれた可能性も示唆されたが、犯行動機の偽装を図ったものだったことが判明。17歳少年と、その交際相手である14歳少女が容疑者として拘束され、未成年者による計画的かつ残虐な犯行は、社会に大きな衝撃を与えていると21日付G1など(1)(2)(3)が報じた。
被害者ニコーリ・フェルナンダ・ポジェレさんは事件当時、同市内に住む祖父宅で休暇を過ごしていた。12日から行方が分からなくなっていたが、警察探知犬により18日、シーツとビニールシートに包まれた状態で発見された。遺体には複数の刺し傷があり、石がくくりつけられた状態で水中に沈められていたという。鑑識によれば、死因は頭部外傷および鋭利な刃物による損傷で、両腕両脚は切断されていた。
事件の捜査を指揮するジョゼ・レジーノ警部は、少女の背中に刻まれていた「PCC」の文字について、「犯罪組織による犯行と見せかけ、本来の動機から目をそらす目的があった可能性がある」と述べており、犯行が入念に計画され、証拠隠滅を図った形跡があると結論づけた。
ニコーリさんの元交際相手である17歳の少年宅からは、血痕とみられる痕跡が発見され、科学捜査機関が分析している。同少年と交際相手の14歳少女は、携帯電話の信号追跡により20日、パラナ州コルネリオ・プロコピオ市で拘束された。
ニコーリさんの継父フェリペさんによれば、ニコーリさんと容疑者の少年は幼少期からの顔馴染みで、オルトランジア市内の同じ学校に通っていたが、ニコーリさんの家族がモコカ市へ転居後は遠距離恋愛の関係となっていた。
ニコーリさんは6月26日、同市の祖父宅を訪問。その後、容疑者の少年宅に2日間滞在し、7月14日に祖父宅へ戻る予定だったが、その後連絡が途絶えた。家族は容疑者の少年に連絡を取ったが、彼は「ニコーリとの恋愛関係はすでに終わった」と述べ、7月12日に彼女は家を出て行ったと主張していた。
パラナ州に住む容疑者少年の祖母が、2人の逃走を手助けした疑いが浮上しており、警察は第三者の関与についても捜査を進めている。押収された2台の携帯電話は解析中で、事件の詳しい経緯や共犯者の存在の有無を明らかにするため、デジタル証拠の収集が行われている。
同件は、容疑者がいずれも18歳未満であることから、児童および青少年の権利を定める「児童・青少年法(ECA)」に基づいて手続きが進められている。司法当局は両容疑者の暫定入院と少年院への送付を決定。今後も、関連人物の特定および動機の解明に向けた捜査が優先事項として継続される見通しだ。