「黒いオルフェ」女優、レア・ガルシアが90歳で死去=映画祭で功労賞受ける直前

名作映画「黒いオルフェ」への出演でも知られ、ブラジルの黒人女優の先駆者的存在で、リオ・グランデ・ド・スル州グラマドでの映画祭に出席中だったレア・ガルシアが15日未明、急性心筋梗塞を起こして亡くなった。同日付CNNブラジル(1)などが報じている。
1933年にリオ市で生まれたレアは1951年、黒人俳優のアブディアス・ド・ナシメントとの結婚によって演劇の世界に入る。
1956年に作詞家のヴィニシウス・デ・モラエスの戯曲「オルフェウ・デ・コンセイソン」に出演し、これが大ヒット。同作は1959年にフランス人のマルセル・カミュ監督が「黒いオルフェ」として映画化。レアはこの映画にサラフィナ役として出演したが、同作は1960年のカンヌ映画祭で最大賞のパルムドールを獲得した上、米国アカデミー賞の最優秀外国語映画賞も受賞し、レアへの注目度も上がった。
1972年にはブラジル初のカラー映像ドラマとして知られる「セルヴァ・デ・ペドラ」、76年にはブラジルでの奴隷制を題材にした「エスクラーヴァ・イザウラ」といった、今日でも名作として知られるドラマに出演。後者で演じた悪役ローザは彼女の代表作の一つだ。
その後も映画やテレビ、舞台で活躍。89歳だった昨年も映画3本、ドラマ1本、舞台1本に出演していた。
彼女は現在開催中のグラマド映画祭に参加しており、95歳の長老女優ラウラ・カルドーゾと共に15日夜の授賞式に出席し、功労賞を受賞するはずだった。彼女の死後、同映画祭はプログラム変更を示唆している。
彼女の葬儀はリオ市市立劇場で行われる予定だが、日時は未定。