サイクロン=南部2州で暴風雨被害=両州合わせ22人死亡

ブラジル南部で4日にサイクロンと寒冷前線が発生。リオ・グランデ・ド・スル州やサンタカタリーナ州では被害が続出し、死者も出たと5日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)(5)が報じた。

パラグアイから南ブラジル南部にかけての気圧低下と北部からの温かく湿った大気南下、南極からの寒波到来で生じた寒冷前線とサイクロンは、南部2州に甚大な被害をもたらした。
4日にリオ・グランデ・ド・スル州西部で発生したサイクロンは、寒冷前線との相乗効果で暴風雨などをもたらした。リオ・グランデ・ド・スル州北西部と北部、サンタカタリーナ州南部と南西部の降水量は100ミリに達する見込みだ。5日の予報では、寒冷前線はサンパウロ州方面に向かい、サイクロンは5日午後、海に抜けるという。
4日のリオ・グランデ・ド・スル州では雹も降り、北部中心に40以上の市で洪水や家屋倒壊、停電などが発生。5日付G1サイト(6)によれば、タクアリ川の水位は4日、12時間足らずで13メートル上昇。4日23時の水位は22・37メートルに達し、5日も水位上昇が続いている。
5日15時現在の死者は州北部の6人のみだったが、5日付G1サイト(7)によると、16時過ぎに中央部ムスン市の死者15人が加わり、21人に増えた。北部の死者はマット・カステリャノ市、パッソ・フンド市、エストレイラ市、ラジェアド市各1人、イビライアラス市2人となっている。ムスン市は市全域の85%が水に覆われており、15人の遺体は1軒の家で見つかった。

5日付G1サイト(8)によれば、サンタカタリーナ州ジュピア市では4日、時速110キロ超の強風で倒れた木が車を直撃。運転中の男性が死亡した。北部海岸のバルネアリオ・カンボリウ市では暴風で倒壊した倉庫で2人が負傷。イタジャイ市でも駐車場の施設倒壊で負傷者が出た。
5日はパラナ州クリチバでも強風を記録。5日付G1サイト(9)によると、サンパウロ州では寒冷前線のため、5日から気温が低下。リオ州では強風と雨が予想されている。