サンタカタリーナ州=136市で風水害、死者2人=防災ダムの水門閉鎖で混乱も

サンタカタリーナ州では3日からサイクロンや寒冷前線による風水害が続き、被災市は295市中136市に増加。67市が非常事態を宣言している。ブルメナウ市では恒例のオクトーバーフェストが開始延期された上、防災ダムの水門閉鎖で混乱が生じて負傷者も出た。

9日付G1サイトなど(1)(2)(3)(4)(5)によると、今回の風水害被害はサンタカタリーナ州を中心に拡大し、5日夜現在は60だった被災市は9日には136に増加。非常事態宣言市も17が67に急増している。
州内では土砂崩れによる高速道封鎖や豪雨、洪水などによる休校、公共交通機関の停止なども起きており、週末のイベントも中止または延期された。
中止されたり延期されたりしたイベントの一つはブルメナウ市恒例のビールの祭り「オクトーバーフェスト」で、チンボー市の移民祭りもプログラムの一部がキャンセルされた。
州防災局は6日、南部海岸や山間部、西部では8日までに150~200ミリの雨が降ると予想。10月第1週の降水量が200~300ミりに達した所もあり、鉄砲水や土砂崩れも起きた。また、車が濁流にのまれたとか、路面が陥没して車が落ちた、土砂崩れや強風で家屋が倒壊し、屋根が飛んだといった被害も頻発。リオ・ド・オエステとパルメイラでは死者も出た。
イタジャイ渓谷では8日未明にブルメナウ市内の川の水位が9・49メートルを記録し、イタジャイ市では12~15時間後に、フォス・ド・イタジャイ‐アス市では8日17時頃に増水がピークとなったが、イタジャイ‐アス川の水位は8日午後から低下し始めた。
水位低下は、川の氾濫や浸水被害の拡大、死者発生を受けたジョルジーニョ・メロ知事が7日夜、ジョゼ・ボイテウクスとイトゥポランガの二つの防災ダムの水門閉鎖を命じたことで起きた。
8日付G1サイトなど(6)(7)によると、水門閉鎖は下流への水量を減し、川の水位低下を招くが、後者のダムはイビラマ‐ラコランノン・ショクレン先住民居住地にあり、閉鎖すれば低地にある集落や道路が水没しかねないのに、州政府が約束した行動をとらずに水門を閉めに来たと不平を唱える先住民が8日朝、州職員らの立ち入りを阻止しようとして警官と衝突。先住民2人が負傷した。
だが、州政府は合意内容は順守しており、抗議行動は一部先住民によるものとして抗議を一蹴。8日午後には水門閉鎖は完了と発表した。
8日付G1サイトなど(8)(9)によると、先住民族省は8日午後、州政府はショクレン族指導者との合意を履行していないと発表。事態の推移を監視し、新たな衝突を避けるため、同省と総弁護庁の代表らがに現地に向かうことを決めた。同省は先住民部落の安全確保のため、連警と国立インジオ保護財団(Funai)にも通報している。