site.title

連警=前大統領が政敵をスパイ?=情報庁2人逮捕、幹部停職=イスラエル製ソフト使って

2023年10月21日

Abin本部(Jose Cruz/Agencia Brasil)
Abin本部(Jose Cruz/Agencia Brasil)

 連邦警察は20日、国家諜報機関のブラジル情報庁(Abin)に対する捜査ウルチマ・ミーリャ作戦を遂行し、同庁職員2人を逮捕。前政権で任命された役職者5人は停職処分を受けた。容疑者らに政敵への諜報行為をやらせ、政府機構を前大統領の個人的な目的に利用していた疑いが、前政権には持たれている。同日付フォーリャ紙など(1)(2)が報じている。

 今回の捜査では25件の家宅捜査令状が出ており、連邦直轄区やサンパウロ州、サンタカタリーナ州、パラナ州、ゴイアス州で捜査が行われた。令状発行や停職命令はアレッシャンドレ・デ・モラエス最高裁判事によるものだ。
 逮捕されたのは、Abin職員のロドリゴ・コリ、エドゥアルド・アルトゥール・イジキ両容疑者だ。また、Abinナンバー3のパウロ・マウリシオ・フォルトゥナート・ピント氏ら、前政権からの役職者5人が停職処分となった。
 家宅捜査はAbin本部を中心に行われ、ピント氏を含む容疑者らが使用していたコンピューターは全て押収された。
 連警によると、Abin関係者は前政権中、司法当局の許可もなく、ファースト・マイルと呼ばれる携帯電話の位置情報をとらえるソフトウェアを使い、前大統領が政敵とみなしたジャーナリストや政治家、裁判官などの動きを監視していたという。ソフトウェアの契約は2021年5月に切れたが、前政権後半は特に頻繁にアクセスが行われていた。職員らは対象としていた人たちの居場所を突き止めた上で、携帯電話への侵入も試みており、電話会社の通信網に不法侵入の記録が残っている。
 連警は3万3千回の同ソフト利用を確認し、うち1800回は前政権で政敵として見られていた人物に向けられたものだった。
 Abin監察局によるスパイ行為の内部調査は2月23日に完了しており、これに基づく本格捜査は3月21日にはじまっていた。連警によると、逮捕された職員2人はソフトウェアを使っていなかったが、解雇回避のため、他の職員らにスパイ行為を強要していたという。
 また、ピント氏はボルソナロ政権でのソフトウェアの操作の責任者で、携帯電話のモニタリングの専門家だった。同氏は現長官のルイス・フェルナンド・コレア氏の指名でAbinのナンバー3に昇格していた。
 このソフトウェアはテメル政権末期の2018年に570万レアルで購入したものだ。当時のAbinを傘下に置いていた大統領府安全保障室(GSI)の長官はセルジオ・エチゴエン氏だった。
 ファースト・マイルはイスラエルのコグナイト社が開発したものだ。同社代表の一人カイオ・セーザル・ドス・サントス・クルス氏はボルソナロ政権で大統領府秘書室長官を務めたカルロス・アルベルト・ドス・サントス・クルス陸軍大将の息子で、今回の捜査対象の一人となっている。
 このソフトは12カ月毎に1万人までのモニタリングが可能で、移動履歴を作れば、対象となる人物の異なる住所における移動のリアルタイムアラートを造ることもできる。
 この捜査に関する弁護人などのコメントは入っていない。


盗難重火器=21丁中8丁を回収=リオ市西部の盗難車から前の記事 盗難重火器=21丁中8丁を回収=リオ市西部の盗難車から【20日の市況】Ibovespaは0.74%安、週足でも2.25%下落=パウエル議長の講演、国債利回りからの圧力、中東の緊張が今週のマイナス基調に次の記事【20日の市況】Ibovespaは0.74%安、週足でも2.25%下落=パウエル議長の講演、国債利回りからの圧力、中東の緊張が今週のマイナス基調に
Loading...