ハエの被害で緊急事態=北部4州に1年間
農務省が、ゴレンシバエ対策として、アマパー、アマゾナス、パラー、ロライマの4州に植物検疫上の緊急事態を宣言したと20日付テラ・サイトなど(1)(2)が報じた。
ゴレンシバエ(mosca-da-carambola)はアジア原産で、カランボーラ(ゴレンシ、スターフルーツ)、ゴイアバ(グアバ)、ジャンボ、マンゴー、アセロラなどの肉厚の果物、少なくとも23種につく。幼虫が果物に損傷を与えると食用に適さなくなるため、果樹栽培農家にとっては頭痛の種だ。
ブラジルでは1996年に初めて確認されて以来、化学農薬を使用し、この種の根絶や他州への蔓延を阻止するための努力が続けられている。ブラジル農牧調査研究公社(Embrapa)によると、ハエの被害が全国に広がれば、年4億レアルの損失が発生する可能性があるという。
ただ、ゴレンシバエ自体は果樹栽培農家にとっては重大な危機をもたらすものの、病気の伝播のような人体への直接的なリスクは報告されていない。マット・グロッソ州動植物衛生防衛局によると、主な影響は、害虫駆除のための殺虫剤の使用による環境への影響と、生産損失による経済的なものだという。
現時点では、アマパー州産の果物の他州への輸送が禁止されており、4月からは検疫地域がロライマまで拡大。検疫上の緊急事態宣言により、パラー州の26市にも禁止措置が拡大した。アマゾナス州ではハエの発生は起きていないが、パラー州との境に近い地域が緊急事態の対象地域に含まれた。
21日付G1サイト(3)によると、近隣州での被害報告や緊急事態宣言を受け、アクレ州植物衛生防衛局も州内の果樹園の監査を強化しているという。