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ベネズエラ=マドゥーロがロシア訪問⁈=ルーラが電話で懸念伝える=14日ガイアナと首脳会談

2023年12月12日

8日に大統領令を発令するマドゥーロ大統領(X)
8日に大統領令を発令するマドゥーロ大統領(X)

 【既報関連】ベネズエラのマドゥーロ大統領は8日、隣国ガイアナのエセキボ地域をベネズエラに併合し、ガイアナ・エセキバ州にするための六つの大統領令を一方的に発令。同日、クレムリンがマドゥーロ大統領のロシア訪問を発表して緊張が高まるも、ルーラ大統領は電話でマドゥーロ大統領に懸念を伝えた。その後、ベネズエラとガイアナの会談が行われることが決まった。8日付フォーリャ紙(1)(2)やG1サイト(3)(4)などが報じている。
 この大統領令の発令は、米国が7日にエセキボ地域でガイアナ国防軍と軍事演習を行うと発表した翌日に起こった。マドゥーロ大統領は、3日に実施された国民投票で96%の国民がエセキボ併合を支持したことを受けて、エセキボ地域を自国領とする地図も作成、5日に国民議会に対し、同地域併合のための法案も提出していた。この法案ではエセキボ地域居住者への社会福祉計画作成や身分証明書発行、暫定統治者指名などにも言及している。
 マドゥーロ大統領は大統領令の発令の際、「賛成票を投じた国民の使命を果たすため」「2030年以降」に併合するとの見通しを示唆した。2030年は、来年後半の大統領選で当選した場合の任期末を表す。
 これらの言動は1899年と1966年に2度、国際的にエセキボがガイアナ領と認められた中で行われている。この背景には、2015年に同地域で年間埋蔵量110億バレルとされる油田が発見されたことがあると見られている。
 また、発令と前後して、マドゥーロ大統領がロシアを訪問するとの発表がロシアのクレムリンから行われた。今回のエセキボ問題は、中南米で混乱を発生させることで、ベネズエラに武器や戦闘機を提供し、経済関係も強化しているロシアやプーチン大統領を間接的に支援することになるとの説は予てからあったが、米国がガイアナとの軍事演習を行ったことで、米露対立の懸念も上がってきた。
 その矢先の9日、ルーラ大統領はマドゥーロ大統領からの電話を受けた。伯外務省は8日のロシア訪問暴露が伯国政府に不快感を引き起こしたことを伝えていた。ルーラ氏はこの電話でマドゥーロ氏に、エセキボ地域の問題に関する懸念を直接伝えた。ルーラ氏はメルコスルのことを例に挙げ、「対話を通して解決して行くのが我々南米の昔からのやり方だ」とマドゥーロ氏を諭している。
 この会話の行われる直前、クレムリンはマドゥーロ氏のロシア来訪延期を発表した。マドゥーロ大統領は10日にベネズエラを発ち、12日にプーチン大統領と会うはずだった。
 9日には、カリブ海のセントビンセント・グレナディーン諸島のラルフ・ゴンサルベス首相が、14日にマドゥーロ大統領とガイアナのイルファン・アリ大統領とがエセキボ問題に関して会談を行うと発表した。ゴンサルベス首相は仲介役として行動することや、両大統領に電話をかけたこと、両大統領が応じたことを明らかにした。アリ大統領はエセキボ問題に関し、ベネズエラでの国民投票前に国際司法裁判所に訴えており、マドゥーロ大統領の併合手続き開始後は国連安全保障理事会に訴えていた。
 会談ではルーラ大統領も調停役として出席を求められている。連邦政府はルーラ氏の出席について言及していないが、セルソ・アモリン大統領付外交問題特別顧問によると出席する見込みだという。


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