先住民活動家の息子がガン=3日間で支援目標額を達成

2022年6月に英国人ジャーナリストのドン・フィリップス氏と共にアマゾナス州ヴァレ・ド・ジャヴァリ地方を旅行中に殺害された先住民活動家のブルーノ・ペレイラ氏の息子のペドロ君(5)が神経芽腫ステージ4との診断を受け、骨髄の自家移植を受けることになり、治療のための資金募金キャンペーンが行われたが、3日間で目標の200万レアルに達したと7日付アジェンシア・ブラジル(1)が報じた。
5日付G1サイト(2)によると、ペドロ君が進行性のガンであることは昨年判明。公立病院で5カ月間の化学療法を受けたが、今後は転移や拡大を防ぐための治療が必要だ。
母のベアトリス・デ・アルメイダ・マトス氏によると、ペドロ君は骨髄の自家移植を受ける予定だが、移植後に必要となるベテディヌツキシマブと呼ばれる薬は輸入品で、統一医療保健システム(SUS)では提供されておらず、8万レアル以上かかる。
神経外科医のヴィクトル・ウゴ・エスピンドラ氏によると、神経芽腫は腎臓の上にある副腎の未熟な細胞から発生するもので、5歳未満の子供に発症することが多く、小児ガンの7~10%を占めるという。病巣は副腎や頚部、胸部、腹部、骨盤領域に発生することがある。
このガンは一般の病気とよく似た症状を呈し、専門医でも診断がつかないこともある。症状やその程度は腫瘍ができた場所やその大きさ、転移の有無、ホルモンを産出するか否かによって異なる。
主な症状は、内出血性のあざ、下痢、食欲減退や体重の減少、倦怠感、腹部や腰部、首、胸部の結節、ガンの転移による骨の痛み、まぶたが垂れ下がり、目が飛び出る、腹部の腫れや膨張、目の下や周りのクマ、咳や呼吸困難、嚥下困難、脚の衰弱や麻痺、発熱、貧血、高血圧、脚や陰嚢の腫れ、排尿や排便の問題、頭痛、めまいだ。
診断は超音波検査から始まり、断層撮影や共鳴などの画像検査によって行われる。理想的な治療方法は手術で腫瘍を完全に除去することだが、ガン細胞が重要な臓器に侵入することが多く、外科的な治療は難しいため、化学療法と放射線療法が併用される。現在は免疫療法も用いられており、有望な効果をもたらす可能性があるという。
ベアトリス氏は3日間で200万レアル余りが集まったことに驚嘆し、ペドロ君用の薬が確保できたことを喜ぶと同時に、善意の波を他の子供救援のために役立てることも考えているという。