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サンパウロ市市長選=マルタがボウロスの副候補に=ルーラとの直接会談で決定=ヌーネスは「裏切り」と批判

2024年1月11日

8日の会談でのルーラ氏とマルタ氏(Ricardo Stuckert/PR)
8日の会談でのルーラ氏とマルタ氏(Ricardo Stuckert/PR)

 元サンパウロ市市長のマルタ・スプリシー氏は8日、ルーラ大統領(労働者党・PT)と会談を行い、10月の選挙でギリェルメ・ボウロス氏(社会主義自由党・PSOL)の副候補となることを受諾。再選を目指すリカルド・ヌーネス市長(民主運動・MDB)の市政から離れることも決まった。9日付G1サイト(1)やフォーリャ紙(2)が報じている。
 マルタ氏とルーラ氏の会談は8日に大統領府で行われ、PT前党首のルイ・ファルコン氏も同席した。会談直後、ルイ氏は「道はもう用意されている。あとは彼女次第だ」との発言を行い、マルタ氏のPTへの復党とボウロス氏の副候補承認を匂わせた。
 マルタ氏は前夫のエドゥアルド・スプリシー元上議(現・サンパウロ市議)と共に長年PTの政治家として知られ、2000年には同党候補としてサンパウロ市市長選に出馬し当選。2004年まで1期務めた。
 同氏は2015年、PTがラヴァ・ジャット作戦の捜査対象にされた際に離党し、MDBに移籍した。2016年に上議を務めていた際は、ジウマ大統領罷免の際の投票で賛成票を投じ、関係の決裂を思わせていた。
 だが、今回のマルタ氏のボウロス氏の副候補は、ルーラ氏が強くこだわったものだった。それは、貧困層の多い市周辺部でマルタ氏が長い間、強い支持を誇っていることや、行政の運営経験がないボウロス氏にとり、サンパウロ市の電車とバスで愛用され続けているビリェッテ・ウニコの生みの親としても知られるマルタ氏は最適との判断で、「選挙戦には不可欠」と判断していた。
 翌9日、マルタ氏はヌーネス市長に対し、自身が現在務めている国際関係局長辞任を申し入れ、受領された。コレイオ・ブラジリエンセ(3)によると、ヌーネス市長はラジオ局のCBNに対し、マルタ氏の行動を「裏切り行為」と呼んでおり、ヌーネス氏の方からの解任と見る向きもある。
 マルタ氏は2020年のサンパウロ市市長選では、ボウロス氏と共に決選投票に進んだ故ブルーノ・コーヴァス市長のキャンペーンを応援。コーヴァス氏はPTの長年の政敵として知られる民主社会党(PSDB)の政治家であったことから、その変化を驚かれた。その縁もあり、コーヴァス政権で国際関係局長に就任した。
 ヌーネス氏はコーヴァス氏が2021年に癌で病死した後に副市長から市長に昇格したが、マルタ氏の仕事ぶりを高く評価しており、一時は再選を狙うヌーネス氏自身の副候補とも見られていた。
 だが、メトロポレス(4)によると、8日の大統領との会談に同席したマルタ氏の夫マルシオ・トレド氏が、マルタ氏がボウロスの副後補を受け入れた要因として、「ヌーネス氏がボルソナロ前大統領の支持を求めたこと」があるといい、そうなればヌーネス氏を支持することができないと考えていたことを明かしている。
 一方、ボルソナロ氏や自由党(PL)が市長選でヌーネス氏支持に踏み切れない理由の一つは、マルタ氏が市政に在籍していたことであることも予てから指摘されていた。なお、マルタ氏は2020年の大統領選でエンリケ・メイレレス氏の副候補にと誘われた時、それを拒み、MDBを離党。現在は無所属だった。


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