site.title

最高裁=旧オデブレヒト罰金を停止=次々にLJ司法取引を解除=「犯罪企業容認」の批判も

2024年2月3日

トフォリ判事(Rosinei Coutinho/STF)
トフォリ判事(Rosinei Coutinho/STF)

 最高裁のジアス・トフォリ判事が1月31日、建設大手ノヴォノル(旧名オデブレヒト)社に対し、ラヴァ・ジャット(LJ)作戦の司法取引によって課せられていた罰金の支払いを差し止めた。1日付G1サイト(1)やアジェンシア・ブラジル(2)が報じている。
 この司法取引は、LJを管轄していたパラナ州連邦検察局が2016年に当時のオデブレヒト社と締結したもので、罰金額は85億1200万レアル(当時の為替で25億4300万ドル)に及んでいた。支払先は連邦政府、州、市、さらに捜査協力を行っていた米国やスイス当局となっている。
 トフォリ判事は、ノヴォノル社が司法取引に関して、連邦検察庁や国庫庁、連邦総弁護庁と再交渉を行うことも許可している。
 これは、連邦警察のスプーフィング作戦での捜査結果に基づくものだ。同作戦は2019年にハッキングで発覚したLJ作戦班の不正疑惑に関するもので、LJ担当判事だったセルジオ・モロ判事とLJ捜査班主任だったデルタン・ダラグノル氏らとの間で、オデブレヒト社を含む企業や個人に関する捜査や裁判で、判決内容の事前取引などが行われていたことが疑われるメッセージのやりとりが見つかっていた。
 ノヴォノル社はこれを受け、最高裁に対し、この作戦に関する捜査の内容を評価し、判決の事前取引で同社が受けた損害を特定するための司法取引契約の停止と、損害が特定された場合にはこれらの損害を考慮して司法取引の内容について再交渉することを認めるよう求めていた。今回のトフォリ判事の判断はそれに応えたものだ。
 トフォリ判事は昨年9月に、オデブレヒト社との司法取引で検察側が得た証拠を全て無効にする判断も下している。
 同判事は昨年12月、LJ作戦で司法取引をして罰金103億レアルの支払いを命じられていた食品大手J&Fに対しても、支払いを停止していた。同社は既に29億レアルを支払っているが、スプーフィング作戦での不正行為によって損害を受けた可能性を訴え、罰金を2400万レアル、最大でも5910万レアルに修正するよう求めている。
 トフォリ判事の一連の判断に関しては「犯罪を告白した企業が許しを得た」と報じるジャーナリストも少なくなく、自分たちが締結した司法取引を反故にされた形となったデルタン氏も、自身のSNSアカウントでそうした報道をリポストすることで強い不満を表明していた。
 カルタ・カピタル(3)によると、トフォリ判事がこの判断を下した翌2月1日には、OAS社元社長のレオ・ピニェイロ氏も最高裁に赴き、自身が行ったLJ作戦の司法取引に関する契約の解除を求めた。
 ピニェイロ氏の証言は2017〜2018年に行われた、ルーラ氏のサンパウロ州グアルジャーの高級3層住宅を介した収賄容疑などの裁判に使われた。それで有罪判決を受けたルーラ氏は、ハッキング騒動から4カ月後の2019年10月に最高裁判断で釈放されるまで1年半にわたり、実刑に服している。ピニェイロ氏は2021年9月、司法取引で行った証言を否定する言動も行っていた。
 トフォリ判事は昨年9月、「ルーラ氏の有罪判決はブラジル司法史上最大の過ち」と語っていた。彼は09年に最高裁判事になる前、1998年、2002年、06年の大統領選挙でルーラ氏の選挙活動の弁護士を務めていた。


五輪サッカー=消化試合でベネズエラに大敗=5日から決勝ラウンドへ前の記事 五輪サッカー=消化試合でベネズエラに大敗=5日から決勝ラウンドへ【2日の市況】米国の利下げが遠のく中でIbovespaは1.01%下落=米国の雇用統計が発表された後に下落次の記事【2日の市況】米国の利下げが遠のく中でIbovespaは1.01%下落=米国の雇用統計が発表された後に下落
Loading...