ポルトガル議会選挙=意見が割れるブラジル人移民=右派勝利で極右巡って
10日にポルトガルで議会選挙が行われ、中道右派勢力が勝利した。この勢力に今回の選挙で台頭した極右勢力が加われば、ブラジル人による移住が制限されかねないとの不安の声が上がっている。同日付CNNブラジルなど(1)が報じている。
アントニオ・コスタ首相の辞任に伴って行われた今回の選挙で最大議席となったのは、中道右派の政党連合・民主同盟(AD)で、29・49%を獲得した。獲得議席数は79議席となる。
一方、コスタ前首相の社会党(PS)は28・66%と僅差で敗れ、77議席となった。
3位は極右政党として注目を集めている「シェガ」で、48議席(18・06%)を獲得した。
これで、PSが政権を降り、ADリーダーのルイス・モンテネグロ氏が次期首相に就任することが確実視されているが、ADだけでは議席の過半数を超えることができないため、シェガとの連立政権が予想される。
ただ、ブラジル人にとってはシェガの存在が気になるところとされている。それは、同政党が移民反対政策を掲げているためだ。ブラジルでは近年、ポルトガルへの移住者が目立ち、同国の外国籍者の40%を占めている。また、BBCブラジル(2)によると、2017~21年は22万5466人がポルトガルに帰化しているが、これにより、同国移住への障壁が高くなるのではと危惧する声が出始めている。
だが、フォーリャ紙やG1サイト(3)によると、同政党はブラジル人コミュニティからの支持を強く受けており、ブラジル生まれの候補者マルクス・サントス氏(45)が当選を果たしている。