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ボルソナロ派下議=空軍司令官に圧力か=「大統領に手を貸せ」=前大統領「ただの憲法の論争」

2024年3月19日

ザンベッリ下議(Lula Marques/EBC)
ザンベッリ下議(Lula Marques/EBC)

 【既報関連】大統領選の結果を変える法案(ミヌタ)の会議の存在が明かされたのに続き、元空軍総司令官のカルロス・バチスタ・ジュニオル氏が、カルラ・ザンベッリ下議(自由党・PL)からクーデターを実行するよう圧力をかけられたと証言していたことが明らかになった。15日付UOLサイト(1)やカルタ・カピタル(2)(3)が報じている。
 最高裁のアレッシャンドレ・デ・モラエス判事は15日、連警が22年末から23年にかけて行った、三権中枢施設襲撃事件に関する証言の公開を許諾。それにより、バチスタ元空軍総司令官が2月16日、アントニオ・フレイレ・ゴメス元陸軍総司令官が3月1日に行った証言が公表され、衝撃を与えている。
 15日朝の時点では、ボルソナロ前大統領が22年12月7、14日にミヌタについての会議を開き、戒厳令の可能性をほのめかしたためにバチスタ、フレイレ・ゴメス両氏が拒否したことが注目されていた。
 他方、15日午後に注目を集めたのは、ザンベッリ下議がクーデターに参加するよう圧力をかけていたという、バチスタ氏の証言だった。それによると、ザンベッリ氏は2022年12月、サンパウロ州ピラスヌンガで行われた軍のイベントの際にバチスタ氏に話しかけたという。バチスタ氏によると、ザンベッリ氏はその際、「ボルソナロ氏に手を貸さず、孤立させるようなことはあってはならない」と言ってきたが、バチスタ氏はそれに対し、「あなたが何を言おうとしているかはわかっている。だが、違法なことを認めるわけにはいかない」と断ったという。
 バチスタ氏によると、この件をパウロ・セルジオ・デ・オリヴェイラ国防相(当時)に報告した際、オリヴェイラ氏も、彼女が全く同じ切り口で言いより、クーデターへの協力を要請したと話してくれたという。
 ザンベッリ下議が大統領選やクーデター疑惑で物議を醸すのはこれが初めてではない。同下議は大統領選決選投票の前日の2022年10月29日午後、サンパウロ市西部の富裕地区で自身に対して野次を飛ばした黒人男性に激昂。投票日前後の24時間以内は携行を禁止されていた銃を持って男性を追い回し、騒動となった。この騒ぎがボルソナロ氏が大統領選を僅差で敗れる一因ともされた。
 ザンベッリ氏はさらに、2022年11月に起こったとされる、国家法務審議会(CNJ)のコンピューターへのハッキング疑惑にも関与した嫌疑を持たれている。この事件ではハッカーのヴァルテル・デルガッチ氏がアレッシャンドレ・デ・モラエス最高裁判事を逮捕させるための偽造書類を混入させたとされているが、デルガッチ氏は同件に関する連警での事情聴取で、ザンベッリ氏に「命令された」と名指し。さらに、偽造書類の共有先になっていたことも判明している。
 この報道を受け、社会主義自由党(PSOL)はザンベッリ下議の議員罷免請求を行っている。同下議に対してはそれ以前から罷免請求が出ており、最高裁も大統領選時の銃携行の件で既に被告扱いにしている。
 ザンベッリ氏は今回の報道に対して、「軍の高官でおられる方がこのようなしがない議員から圧力を感じていたとは知らなかった。かつての軍は良い司令官を持っていた」との発言を行っている。
 また、この報道後は、連警がザンベッリ氏を召喚し、事情聴取を行うことが確実視されている。
 15日付カルタカピタル誌サイトによれば、ボルソナロ氏は最高裁が機密解除した証言内容に関して「連邦憲法の内容について話すことは犯罪ではない。連邦憲法に書かれていることすべてについて議論し、討論することができる。司法取引や供述で何を言うかは、それを言った人の問題だ。犯罪があったというのはバカげた話だ」と反論している。


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