タイ=ブラジル人女性が罰金刑免除=コカイン密輸の犯罪で

タイでコカイン密輸の嫌疑で逮捕されていたブラジル人女性が、同国の裁判で罰金支払いを免除される減刑処分を受けた。同国は麻薬犯罪は厳罰に処しており、麻薬の種類や量によっては死刑もあり得る。13日付フォーリャ紙(1)などが報じている。
ミナス・ジェライス州ポウゾ・アレグレ出身のマリ・エレン・コエーリョ・シルヴァ受刑者は2022年2月、バンコク国際空港で9キロのコカインを所持していたとして、ブラジル人男性2人と共に逮捕された(3人が所持していたコカインは計15・5キロ)。
マリ・エレン受刑者は2022年5月に行われた裁判で、9年6カ月の実刑判決と75万バーツ(10万5千レアル)の罰金支払いの判決を受けていた。
罰金の軽減は4月に同受刑者に知らされた。彼女には同時に2年間の刑期短縮も認められた。タイ国王ラーマ10世が調印した減免罪は、同国で逮捕、断罪された外国人の犯罪者に適用される。同被告の弁護側は裁判のときから、国王による減免罪を申請していた。
担当弁護士のカエリ・カヴォリ・モレイラ氏は、「マリ・エレン受刑者はブラジルでの犯罪歴がなく、逮捕後の素行も良かったために赦しが出たのだと思う」と語っている。なお、通常は罰金を払わない受刑者は刑期が2年間延びるが、彼女の場合は罰金そのものが免除されたため、刑期短縮もそのまま適用される。
マリ・エレン受刑者は逮捕される少し前に勤めていたシュラスカリアを辞めて旅行していた。家族は彼女が逮捕されたことを、タイから助けを求められて初めて知ったという。
同受刑者は父と疎遠で、かつ母親が癌を患っている。知人によると、彼女は姉妹とともにケーキ屋経営を考えていたという。