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RS州大水害=州知事選睨んだライバル?=ルーラの特別相人選で軋轢

2024年5月17日

ピメンタ氏(Lucas Leffa/Agencia Brasil)
ピメンタ氏(Lucas Leffa/Agencia Brasil)

 【既報関連】ルーラ大統領がパウロ・ピメンタ大統領府社会通信局長官を南大河(RS)州復興・再建特別相に起用したことで、エドゥアルド・レイテRS州知事が所属する民主社会党(PSDB)のみならず、ルーラ氏、ピメンタ氏が所属する労働者党(PT)内にも困惑が広がっている。15日付G1サイト(1)が報じている。
 今回のピメンタ氏の復興・再建特別相指名に関し、PSDBは14日の内に批判的な声明を行っている(2)。2014年に同党から大統領選に出馬し、次点となったアエシオ・ネーヴェス下議は、「レイテ氏に何の相談もせず、一方的に決められたもの」とし、「RS州救済に関し、二つのプロジェクトが並行しているようだ」「レイテ氏を知事に選んだ州民の気持ちも無視している」と不快感を示している。
 今回の大水害ではレイテ知事から連邦政府に対して援助を求めていたが、PSDB側はルーラ大統領の言動は、大水害という悲劇と救済活動を利用して、PSDBに対するPTの優位性を示そうとしていると見ているという。
 PSDB党首のマルコーニ・ペリーロ氏も、「仮にこれがバイア州やセアラー州、ピアウイ州というPT知事の州だったら、連邦政府も今回のような行動には出ていなかっただろう」とし、「2年後の選挙を前倒ししたようだ」との見方を表明している。2年後の選挙とはRS州の知事選を指しており、復興指揮でレイテ氏とピメンタ氏が対立する可能性も懸念されている。
 一方、PT関係者も今回のピメンタ氏の復興・再建特別相就任を「失敗」と見ている。彼らの中からは、「二極化が言われる中、わざわざ火に油を注ぐようなことをしなくても」という意見が上がっている。関係者たちは、復興・再建特別相のような役職を設けるのであれば、連邦政府の中でもPSDBと反目しない人物、例えば元PSDBのジェラルド・アルキミン副大統領のような人がふさわしいと考えていた。
 ピメンタ氏は元々がRS州選出下議で、同州の復興に強い意欲を見せていたが、かねてからPTを代表するネット論客としても有名で、社会通信局長官として、主に反連邦政府派の国民による虚報を取り締まる立場にあったことにも、対立を煽るとの懸念を感じている関係者もいるようだ。
 また、ピメンタ氏は26年選挙でRS州選出上議を狙っており(3)、PTの同州知事候補としては22年の同選で初めての出馬ながら約27%の得票率で3位と健闘したエデガル・プレット氏が考えられているが、ピメンタ氏の復興・再建特別相での影響いかんでこの予定が崩れる可能性もある。


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